兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年6月25日(1977号) ピックアップニュース

主張 7・18兵庫県知事選
多くの人々と声を上げ行動し、憲法が輝く県政へ

 7月18日に兵庫県知事選挙が実施される。この選挙は、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、今後の県内の医療提供体制にとって、極めて重要な選挙である。
 国政では、政治と金にまつわる多くの疑惑を隠蔽する安倍・菅の自公長期政権の堕落、劣化が著しい。政策面でも、新型コロナ禍において、必要な医療提供体制整備を都道府県に丸投げし、緊急事態宣言を発出しておきながら国民生活に必要な補償をしていない。このパンデミックにおいて、防疫・検疫体制がまったく機能しなかったこと、各地で医療崩壊を引き起こした政府の責任は重い。
 一方で、〝グリーン成長政策〟〝デジタル化推進〟などの新たな利権を作り出して企業奉仕に明け暮れ、さらなる規制緩和で企業がより自由に利益を得られるようにしている。
 さらに、今国会で自民・公明・維新・国民各党の賛成で成立した医療分野の法案には、地域医療構想を推進する医療法(=病床削減推進)改定と、「全世代型社会保障制度」を推進する高齢者医療確保法(=高齢者医療費窓口負担2倍化)がある。国民生活が困難になっているコロナ禍に、このような法を成立させるような勢力には、断固〝No!〟を突きつけるべきである。
 県政は、このような誤った政治から県民を守ることが求められるが、井戸知事からは、そういう姿勢が全く見られない。コロナ禍でも病床削減ありきの地域医療構想を推進し、国政に完全に〝右にならえ〟である。さらには、医療従事者に対する慰労金の支給にも疑問を呈し、感染患者用の病床整備も全国で低水準にとどまるなど、とても新型コロナ禍から県民の命と健康を守る政治とはいえない。
 県知事選挙において、井戸県政の継承を公約する金澤和夫氏では、県政の転換は望むべくもない。また、前大阪府財政課長の齋藤元彦氏は、大阪府・市が進める万博や国際金融都市構想等に兵庫県を連携させることや、徹底した行財政改革を公約としており、「維新政治」を兵庫県でも実現することを狙っている。実際に大阪では、維新政治による公的病院の縮小の結果、医療が危機的状況に陥っている。これらの候補がめざす兵庫県政は、住民の医療や福祉を切り捨て、大企業への利益誘導を行うものである。
選挙に行こう!投票に行こう!
 地方公共団体の役割は「住民福祉の増進」であり、彼らに県政を任せては、私たちが望む県民の医療・福祉の充実は困難である。協会は憲法が輝く兵庫県政をつくる会の金田峰生候補と政策協定を結び、支持推薦を決定した。新自由主義に突き進む勢力とそれを補完する勢力に厳しい審判を下し、国政から県民を守り、立憲主義を掲げ、〝憲法が輝く〟県政を勝ち取ろう。
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