兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年6月25日(1977号) ピックアップニュース

6・3 中央要請行動
歯科診療の拡充を与野党の議員に要請

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面談に応じた盛山議員(画像上から1.左2人目)、関議員(2.左)、桜井議員(3.左2人目)、清水議員(4.右2人目)

 協会・保団連は6月3日、「保険でより良い歯科医療を」請願署名の紹介議員の引き受けなどを求めて国会要請行動を実施。武村義人・川西敏雄両副理事長と、白岩一心理事が国会議員に要請した。盛山正仁(自民)、関芳弘(自民)、桜井周(立民)、清水忠史(共産)各衆院議員が面会に応じた。

 要請行動で協会は、「『歯科医療費の総枠拡大』『患者窓口負担の軽減』を求めることによって、お金の心配をしないで歯科治療を受けられることが必要」と、国会議員に対して紹介議員を引き受けるよう陳情。75歳以上の高齢者の窓口負担増(6月4日に法案成立)についても、「高齢者のさらなる受診抑制を引き起こすものであり、中止をお願いしたい」と要請した。
 盛山議員は医療情勢について、「ワクチン接種事業では、先生方に負担をかけているが、先月よりはスムーズになっているようだ」「コロナ禍による患者減と感染対策の支出増で医療従事者にしわ寄せがきている。特に歯科医療機関の苦難はいかばかりか。資料はいただいて検討する」と語った。関議員は、「協会には平素よりお世話になっている。署名の紹介は難しいが、ご意見は承った」とした。
 桜井議員は、要請に対し「75歳以上の高齢者の窓口負担を2割とする法案は参院に議論が移っているが、最後まで廃案のために尽力したい」と語った。また「協会の度重なる訴えで、歯科医療が全身の健康に果たす重要性は理解している。窓口負担軽減と保険適用範囲の拡大は急務」とし歯科署名200筆の紹介を承諾した。
 清水議員は「2割化法案は高齢者のさらなる受診抑制を引き起こすものであり、絶対許されない。もし採決されても国民の怒りは広がるばかり。野党共闘で政権交代を実現し、中止したい」とした。歯科署名については、「口腔ケアの大切さは理解している。政府に国民と医療者の声を届けたい」と署名300筆の紹介を承諾した。
初夏の歯科総行動集会
 国会議員要請の同日昼には、国会議員会館内にて、初夏の歯科総行動集会と「#医療費窓口負担2倍化とめる」緊急集会が開催された。
 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が開催した「初夏の歯科総行動集会」には、各協会や、各地の歯科技工士会・歯科技工士連盟団体などが参加。
 Zoomでも兵庫協会の加藤擁一副理事長をはじめ、全国の歯科技工所、歯科技工士養成機関、歯科診療所などから視聴。現地・オンライン合わせて全国から400人以上が参加した。
 兵庫から参加した歯科技工士の雨松真希人氏(「保険で良い歯科医療を」全国連絡会会長)はあいさつで、「コロナ禍で歯科医療機関が大きな打撃を受けて1年以上経つが、この間の政府の無策ぶりは目にあまる。現場から制度改善の声を上げよう」とした。また、16人の与野党の国会議員が集会に駆けつけ「口腔ケアの大切さの宣伝」「低歯科診療報酬の改善」のため力を合わせることを確認した。
「#医療費窓口負担2倍化とめる」緊急集会
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集会へかけつけた国会議員へ歯科医療拡充を求める署名用紙を提出

 歯科集会に引き続き開催された同集会にも、リモート含め全国から多数が参加、立憲民主・共産などの国会議員が続々詰めかけ発言した。
 保団連の住江憲勇会長は、あいさつで、「与党は今日にも参院の委員会で強行採決する勢いだ。コロナ禍で国民が苦しむなかで、社会保障削減ありきの政策を強行する政府の姿勢に国民の反発は必至。きたるべき総選挙で与党に審判を」と呼びかけた。
 参加者は一斉にプラカードを掲げて「医療費窓口負担2割化止める」の意思をアピール。「拙速な採決をせず、徹底審議のうえ撤回・廃案を求める」との緊急要請を確認した。
 協会はこれからも、窓口負担を元の水準に戻すよう、国会議員への要請などの運動に取り組んでいく。
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