兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2021年6月25日(1977号) ピックアップニュース

「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会・市民学習会
「口腔ケア」で「コロナ禍」を乗り切ろう

1977_11.jpg
1977_12.jpg

高柴先生がオンラインで講演し(上写真)、口腔ケアと感染対策の徹底を訴えた

 口腔ケアの大切さを確認し、広めよう--。協会などで構成する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は、6月6日に、協会会議室で市民学習会「コロナ禍でこそ求められる『口腔ケア』の大切さ」を開催した。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授の高柴正悟先生がオンラインで講演し、医科・歯科医療関係者と市民ら50人(来場15人/Zoom視聴35人)が参加した。

 高柴先生は冒頭、医療における歯科の目的・意義を「噛んで食べることによる栄養管理と、口腔内管理による感染・炎症の制御」とし、口腔の健康状態が悪いと、口腔機能のみならず、糖尿病、肥満、非アルコール性肝炎、心血管障害などの疾患のリスクが有意に高まることを解説。「口腔ケアでQOLを維持・向上して充実した生涯を送ろう」とした。また、新型コロナウイルスがコロナ陽性患者のデンタルプラークから検出された事例を紹介しながら、口腔ケアの重要性を指摘。「歯周炎と新型コロナ感染症の重症度との関係を示す症例研究もあり、感染を防ぐことのみならず、重症化を防ぐにあたっても口腔ケアの果たす役割は少なくない」とし、あわせてマスクの種類ごとの効用や使用時の留意点なども確認しながら感染対策の徹底を訴えた。
 また講師は、日本の未来社会の予測から「人口構成も今とは大幅に変化するが、医療や老後を支える技術等も今後発展するはず。ライフステージに応じた取り組みで健康寿命の延伸は可能」とし、「体力に応じた生活の工夫をし、口腔ケアなどで免疫力を強化しよう」と呼びかけた。
 質疑では「全身疾患の改善と口腔ケアの関係性は大いに首肯できる」(医師)、「歯科医療現場での感染対策の徹底ぶりはもっと注目が集まっても良いはず」(歯科医師)など多彩な発言があった。
 同会世話人の加藤擁一副理事長と柴田麻紀先生(きたすま歯科)が「保険でよりよい歯科医療を」署名の協力を訴えた。冨澤洪基評議員が司会を務めた。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方