兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年8月05日(1981号) ピックアップニュース

燭心

 自動走行支援システム搭載の自家用車に乗っている。快適である。特に高速道路の走行が格段に便利かつ安全になった▼ひとつ気が付いたことがある。小生、決して気が短いほうではないが、これまでは快調に走っている時に前方を遅い車でふさがれて減速する際、舌打ちすることが度々あった。意外にも車を変えてからそんなイライラがなくなったのだ。どうやらブレーキを踏む回数が極端に減ったからであろう。勝手に車間距離をとってくれる自動走行は、高速道路でブレーキを踏む必要はほとんどない。どうやらブレーキを踏む行為は自分にとって好ましい感情ではないようだ▼神経心理学者で「ブッダの脳」の著者リック・ハリソンは、快楽優先の生き方をブレーキのない自転車だと揶揄する。目先の利益を追い求めるあまり後で高くつく可能性のある願望を持った時には、しばしブレーキをかけて一時停止する能力が必要だと。脳は興奮(アクセル)と抑制(ブレーキ)の組み合わせにより機能するが、抑制に関わるのは脳内ニューロンの約10%に過ぎないらしい▼ところで、支持率を下げている菅政権である。新型コロナウイルス対策はブレーキをかけるタイミングが遅く、しかも弱い。東京オリンピックは中止どころか観客の有無論議にすり替えられ、ブレーキが踏まれた形跡さえない。マスコミも五輪に浮かれてアクセルを踏みまくる。ブレーキニューロンが機能せず暴走する政権を正すシステムは国民の監視と選挙以外にない。(九)
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