兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年1月05日(1994号) ピックアップニュース

女医の会インタビュー 31
多様性の時代へお役に立ちたい
尼崎市・歯科  大野 良子

1994_09.jpg  母校の大阪歯科大学で、同窓会の女性歯科医師支援委員会の代表をさせていただいております。大阪歯科大学には、もともと紫媛会という女性歯科医師の同窓会があり、以前からこの役員を務め、交流会や研究会の開催をお手伝いしてきました。今や、女性の卒業生が半数以上となり、結婚や出産後も安心して仕事を継続できるように、さらなるサポートが必要とのことで、昨年から新たな委員会が立ち上げられました。
 私が入学した頃は、同級生で女性は4分の1程度。卒業しても結婚して歯科医師にならない人も多い時代でした。私も当初は絶対に歯科医師にならないと思っていましたが、歯科口腔外科の先生に大変お世話になったことから、院への進学を決めました。当時、口腔外科には女性はほとんどおらず疎外感もありましたが、手先を動かすのが好きで向いていたんでしょうね。
 診療に全力を注ぎ、勤務医を経て開業しましたが、ちょうど娘の受験の時期と重なり、娘には当時とても怒られました(笑)。幸い両親が近くにおり、子育ても助けてもらうことができました。その娘も現在は保健師として地域医療に励んでおります。
 時代は大きく変わっています。これからは多様性の時代。患者さんや医療従事者にもさまざまな国籍の方がいらっしゃいます。その方々とお話しすると、さまざまな考え方があることが分かり、大変勉強になります。日本では、皆が一方向を向いてしまいがちですが、もっと一人ひとりの個性が輝く社会になるべきではないでしょうか。その辺りについては、ラジオ関西「医療知ろう」に出演させていただき、YouTubeにもアップされていますので参照していただければと思います。今後はそれぞれが個人として輝く社会が理想だと思います。
 歯科治療もそうです。審美歯科も盛んですが、基準を一つに決めて、皆同じになってしまっていないでしょうか。その人の顔の形、肌の色などはみんな違うのですから、一人ひとりに合う治療が必要なのだと思います。
 保険医協会には昨年、評議員にお声かけいただきました。協会は医療に限らず、幅広い分野の魅力的な方を招かれていますね。先日の前川喜平さんの講演も興味深かったです。また、新型コロナ禍の混乱のなか、助成金の質問に大変ていねいに対応していただき、感謝しております。少しでもお役に立てればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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