兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年3月25日(2001号) ピックアップニュース

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議し、即時撤兵を要求するとともに日本政府に緊張緩和の努力を求める

 協会は3月12日、第1149回理事会にて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議し、即時撤兵を要求するとともに日本政府に緊張緩和の努力を求める抗議声明を採択し、関係機関に送付した。

抗議声明
2022年3月12日
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議し、
即時撤兵を要求するとともに日本政府に緊張緩和の努力を求める

兵庫県保険医協会
第1149回理事会

 ロシアのプーチン政権は2月24日、ウクライナへ侵攻し、首都キエフを含むウクライナ全土で、子どもを含めた多数の民間人が犠牲となっている。政治的、経済的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。ロシア軍はウクライナの原子力発電所へも攻撃を加えている。原発への攻撃で原子炉などに損傷が生じれば、ヨーロッパのみならず広域に放射能汚染を引き起こす恐れがあり、世界中の人々の健康が脅かされかねない。協会はロシアによる侵攻に強く抗議し、即時撤兵を求める。
 ロシアのプーチン大統領は、軍事侵攻の理由としてウクライナ東部のドネツィク州とルハンスク州のロシア人の保護を挙げている。しかし、これまでも多くの戦争は、自衛や自国民の保護を理由にして起こされてきた。今回のウクライナ侵攻も、自国民保護を口実としているが、ウクライナの主権の尊重および領土の保全などを侵害しており、武力の行使を禁止している国際法や国連憲章に違反するものである。
 さらにプーチン大統領は、2月27日に、核戦力を特別態勢に移行させるよう命令した。これは核兵器の先制使用も辞さない姿勢を示したものである。核兵器による威嚇は、平和と国際秩序を脅かすもので、唯一の戦争被爆国である日本として、決して許容できるものではない。現代においては核兵器がひとたび使用されると、民間人も含む大量無差別殺人や破壊がなされるばかりか、世界の核保有国同士による核戦争につながる危険性が高い。ロシアとNATO各国には、核戦争を起こさないために、相互に対話を継続するよう求める。
 そもそも今回のウクライナ侵攻の背景には、米欧が軍事同盟であるNATOを東欧に広げたことに対してロシアが反発したことにあり、NATOとロシアが防衛力の強化を競い合った結果、今回の最悪の事態を招いたと言える。
 いま日本に求められていることは、憲法9条の不戦と平和の精神を生かし、東アジアの緊張緩和に努めるとともに、ロシアやNATOを含めた世界各国に対し軍拡競争をやめるよう呼びかけることである。また、他国からの攻撃対象となりうる原発を廃止することである。
 われわれは、憲法9条を有し、唯一の戦争被爆国である日本の命と健康を守る医師・歯科医師の団体として、あらゆる戦争に反対するとともに、ロシアに対し、一刻も早いウクライナとの停戦と即時撤兵を求めるものである。
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