兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年4月25日(2004号) ピックアップニュース

医科 新点数Q&A〈その2〉

※保団連「新点数運用Q&A」、厚労省疑義解釈より抜粋・改変

再診料関連
〈機能強化加算〉
Q1 算定要件に変更はあるか。
A1 以下の変更が行われた。
[1]専門医療機関への受診の要否の判断を行うことが追加された。
[2]必要に応じ、患者に対して以下の対応を行うとともに、当該対応を行うことができる旨を院内およびホームページ等に掲示し、必要に応じて患者に対して説明することとされた。
ア 患者が受診している他の医療機関および処方されている医薬品を把握し、必要な服薬管理を行うとともに、カルテに記載する。なお、必要に応じ、担当医の指示を受けた看護職員等が情報の把握を行うことも可能である。
イ 専門医師または専門医療機関への紹介を行う。
ウ 健康診断の結果等の健康管理に係る相談に応じる。
エ 保健・福祉サービスに係る相談に応じる。
オ 診療時間外を含む、緊急時の対応方法等に係る情報提供を行う。
〈情報通信機器を用いた場合(初診251点、再診73点)〉
Q2 情報通信機器を用いた診療を実施するにあたって、研修の受講は必要か。
A2 オンライン指針により必要とされている。厚生労働省「オンライン診療研修」はホームページ(https://telemed-training.jp/entry)よりe-ラーニングで受講できる。
Q3 どのような場合に算定できるのか。
A3 算定要件は以下の通り。
[1]厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(以下、オンライン指針)に沿って診療を行う。
[2]指針において示されている一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診に適さない症状」等を踏まえ診療を行う。
[3]処方を行う際には、指針に沿って処方を行い、一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等の関係学会が定める診療ガイドラインを踏まえて処方する。
[4]指針において、「対面診療を適切に組み合わせて行うことが求められる」とされていることから、医療機関において対面診療を提供できる体制を有する。また、「オンライン診療を行った医師自身では対応困難な疾患・病態の患者や緊急性がある場合は、オンライン診療を行った医師が適切な医療機関に自ら連絡して紹介することが求められる」とされていることから、患者の状況によって対応することが困難な場合は、他の医療機関と連携して対応できる体制を有する。
Q4 情報通信機器を用いた診療を行う場合は、医療機関内で実施しなければならないか。
A4 原則として医療機関内で実施する。なお、医療機関外で情報通信機器を用いた診療を実施する場合であっても、当該指針に沿った適切な診療が行われるものであり、情報通信機器を用いた診療を実施した場所については、事後的に確認可能な場所であること。
Q5 情報通信機器を用いた診療を行っている患者の急変等の緊急時には、自院で対応を行う必要があるか。
A5 原則として自院で必要な対応を行う。ただし、夜間や休日など、当該医療機関がやむを得ず対応できない場合については、患者が速やかに対面診療を行えるよう、事前に受診可能な医療機関を患者に説明する。
Q6 電話で診療した場合に算定できるか。
A6 算定できない。
Q7 初診料の情報通信機器を用いた初診を行った結果、医師が続けて対面診療を行う必要があると判断し、患者に来院して対面診療を受けるよう指示し、同日に当該保険医療機関において対面診療を行った場合の初診料の算定は、どのように考えればよいか。
A7 初診料288点のみを算定する。
Q8 以下の費用は患者から別途徴収できるか。
[1]予約に基づく診察による特別の料金
[2]情報通信機器の運用に要する費用
A8 [1]徴収できない。
[2]療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。
Q9 オンライン指針における「初診」は初診料を算定する患者を指すのか。
A9 初診料を算定する患者に加えて、以下の場合もオンライン指針における「初診」に該当する。
[1]継続的に診療している場合において、新たな症状等(ただし、すでに診断されている疾患から予測された症状等を除く)に対する診察を行う場合
[2]疾患が治癒した後または治療が長期間中断した後に再度同一疾患について診察する場合
Q10 情報通信機器を用いた初診を行う患者に処方の制限はあるか。
A10 初診の場合には以下の処方を行うことができない。
・麻薬および向精神薬の処方
・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する、特に安全管理が必要な薬品
・基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対する8日分以上の処方
Q11 初診料の加算は算定できるか。
A11 いずれの加算も算定要件を満たせば算定できる。
Q12 再診料の加算は算定できるか。
A12 外来管理加算は算定できない。それ以外の加算は算定要件を満たせば算定できる。
Q13 情報通信機器を用いた診療により処方を行った場合、処方料および処方箋料の加算は算定できるか。
A13 算定要件を満たせば算定できる。
Q14 情報通信機器を用いた診療で処方箋を発行した場合、処方箋の備考欄に記載する事項はあるか。
A14 処方箋の備考欄に「情報通信」と記載する。
Q15 カルテに記載する事項はあるか。
A15 以下のとおり。
[1]診療内容、診療日および診療時間等の要点
[2]患者の急変等の緊急時において、夜間や休日など、当該医療機関がやむを得ず対応できない場合は、事前に受診可能な医療機関を患者に説明した上で以下の内容を記載する。
・当該患者に「かかりつけの医師」がいる場合には、当該医師が所属する医療機関名
・当該患者に「かかりつけの医師」がいない場合には、対面診療により診療できない理由、適切な医療機関としての紹介先の医療機関名、紹介方法および患者の同意
[3]当該診療がオンライン指針に沿った適切な診療であったことを記載する。
[4]処方を行った場合は当該処方がオンライン指針に沿った適切な処方であったことを記載する。
〈外来感染対策向上加算〉
Q16 施設基準の届出について、「当該加算の届出については実績を要しない」こととされているが、この「実績」とは、具体的には何の実績を指すのか。
A16 以下の実績を指す。
・「職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること」における研修の実施
・「院内感染管理者は、少なくとも年2回程度、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関または地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること」におけるカンファレンスへの参加
・「感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関または地域の医師会が主催する、新興感染症の発生等を想定した訓練については、少なくとも年1回以上参加していること」における訓練への参加

〈電子的保健医療情報活用加算〉
Q17 ただし書の「当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合」とは、どのような場合が対象となるのか。
A17 当該加算は、保険医療機関においてオンライン資格確認等システムが開始され、診療情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施できる体制が整えられていることを評価する趣旨であることから、オンライン資格確認等システムの運用を開始している保険医療機関であれば、実際に患者が個人番号カードを持参せず、診療情報等の取得が困難な場合であっても、ただし書の「当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合」に該当するものとして差し支えない。
 また、患者の個人番号カードが破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明用電子証明証が失効している場合なども、同様に該当する。
Q18 施設基準において、「当該情報を活用して診療等を実施できる体制を有していることについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること」とされているが、医療機関の窓口や掲示板に「マイナ受付」のポスターやステッカーを掲示することでよいか。
A18 よい。

その他の点数
〈在宅自己注射指導管理料〉
1、血糖自己測定器加算
Q19 「7」間歇スキャン式持続血糖測定器によるものについて、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストの自己注射を承認された用法および用量に従い1週間に1回以上行っている者に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行うために間歇スキャン式持続血糖測定器を使用した場合は、算定可能か。
A19 対象はインスリン製剤の自己注射を「1日に1回以上」行っている患者であるため、算定不可。
2、バイオ後続品導入初期加算
Q20 従前からバイオ後続品を使用している患者について、先行バイオ医薬品が異なるバイオ後続品を新たに使用した場合、当該加算は算定可能か。
A20 算定可。
〈高度難聴指導管理料〉
Q21 「その他の患者については年1回に限り算定する」とあるが、「年1回」とは、暦年(1月1日から12月31日まで)に1回のことを指すのか。
A21 そのとおり。
Q22 施設基準における「補聴器に関する指導に係る適切な研修」には、具体的にはどのようなものがあるか。
A22 現時点では、以下の研修が該当する。
[1]厚生労働省「補聴器適合判定医師研修会」
[2]一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「『補聴器相談医』委嘱のための講習会(秋季大会、地方部会)」
〈二次性骨折予防継続管理料〉
Q23 施設基準において、「地域の保険医療機関等と連携し」とあるが、「地域の保険医療機関等」には、地域の保険薬局は含まれるか。
A23 含まれる。
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