兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2022年5月25日(2006号) ピックアップニュース

6月16日~17日
スタッフ、患者さんとともに 空気の汚れ調査にご協力を

2006_10.jpg

環境・公害対策部長 森岡 芳雄

 県内の公害患者団体等でつくる空気の汚れ兵庫県調査実行委員会が、91年から毎年実施している二酸化窒素(NO2)測定が、今年も6月16日17時~17日17時に行われます。昨年の調査では、1270個の調査カプセルが集まり、協会でも225個のサンプル協力を得ることができました。この調査は、小さなカプセルを屋外に取り付け、24時間後に回収する方法で行います。一定区域内で複数のカプセルによる測定を行うことで、科学的にも信頼のおけるデータが採取されます。
 県内の大気汚染の状況はPM2.5を含めほとんど横這い状態ですが、大気汚染による健康影響には閾値がないことが近年判明しています。幹線道路沿いの汚染は依然残り、高層住宅や歩道橋上などでホットスポットも見つかっており、地形や風向きや建造物なども考慮に入れた、生活に密着した所での局地的大気汚染の測定が重要になっています。
 灘区では、神戸製鋼所が増設した石炭火力発電所が、営業運転を開始しました。石炭火力発電は地球温暖化の主要な原因物質であるCO2排出量が多いだけでなく、NO2をはじめとした大気汚染物質も大量に排出します。新たな汚染源の増設を阻止しなければならないのと同時に、稼働の前後での変化を記録するためにも、空気中のNO2濃度の測定・監視を継続していく必要があります。
 自主測定には、(1)大気汚染の実情を自らの手で正しく把握する、(2)公的測定の補完、監視となる、(3)汚染企業へのプレッシャーになるなどの多くのメリットがあります。
 簡単な調査ですので、医療機関前だけでなく、ご自宅付近、スタッフや患者さんのご自宅等、複数個所でぜひ調査にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。
 ※お申し込み・お問い合わせは、協会事務局電話078-393-1807まで。昨年お申し込み・ご協力いただいた先生には、今回もカプセルをお届けします。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方