兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年8月05日(2013号) ピックアップニュース

燭心

 参院選後のNHKクロ現を見て暗澹たる気持ちになった。労働者の権利を守るには労働組合が一丸となって野党を支援することが必要だが、自民党に投票する若年層が多いというのだ。それどころか、投票にすら行かない組合員が増加しているという▼野党の支持基盤であった労働組合にいったい何が起こっているのか。どうやら政治に対するリテラシーそのものが低下しているようだ。労働組合の組織率は年々低下し2割を切っている▼自民への距離を縮める連合トップの芳野会長。労働者の分断を狙ってトヨタを訪問した岸田総理。ある大手サービス企業の労組幹部は、業界の声を代弁してくれる与党候補を支援すべきだという組合員の言葉を肯定的に捉えていた。この会社ではコロナ禍による経営危機を労使協調で乗り越えようという機運が高まっており、過大な要求を会社に向けることができないと忖度する▼山口二郎法大教授は、働く市民を代表する労組が政党を支えるという戦略は早晩崩壊すると予想する。さらに、一橋大の中北浩爾教授は、政権交代の可能性はもうないのではと悲観している。なんとも寂しい話だが、それ以上に気になったのがNHKの番組作りだ。有権者が求める野党の姿勢は、「対決」ではなく「是々非々」だとのデータを示し、今回の選挙でも是々非々路線の維新や国民が議席を伸ばしたと持ち上げた。野党の分断、それこそが与党の思うつぼなのだが。メディアは政権を補完する最大勢力になりつつある。(九)
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