兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2022年10月25日(2020号) ピックアップニュース

燭心

 幸福度ランキングで世界149カ国中、5年続けてフィンランドが1位にランクインした。偶然ではない。「ウェルビーイング」(幸せ)という考えをベースにした、国民と国民が選出した政権による施策の結果と言われ、キーワードは〝安心〟だそうだ。現状や将来の不安が払しょくされれば、幸せを感じやすくなるだろう。国民全員で工夫し幸せを具現化しているらしい。GDPもこの30年で3倍近くに増やしている▼一方、日本は52位。GDPは全く伸びていない。この差は何だろう。不安ではないか。安心を担保する大きな要因の一つが社会保障だ。力強い保障は安心を担保し、脆弱なら不安を広げる。しかし、政権は社会保障削減ばかりを行い、国民不安をあおってきた。現在も、戦争という言葉で不安をあおり続け軍事費を大幅に増やそうとしている▼明石市政が揺らいでいる。泉市長の人間性ではなく、実績を振り返りたい。地方の一自治体だが、社会保障、特に子育て支援策を格段に充実させた。結果、人口は増加し市税歳入も増やしている。フィンランドと通じるように思う。市のパンフには〝安心〟の文字が躍る▼他分野に大きな影響があっただろうが、それでも社会保障を優先した。これは社会保障を充実させると経済が成長するという兵庫県保険医協会の主張とも合致する。結果が良かっただけとの声もあるが、やる気があれば変えられるという事例を一自治体が示したのだ。次は政府の番だ。政府を突き動かすのは世論だ(蓮)
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