兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年4月05日(2034号) ピックアップニュース

燭心

 インボイス制度にマイナポイント、何か解らないことが増えてきている。新しもの好きで来たつもりなのだが、時代についていけなくなったのかと酒を片手に嘆いてしまう▼インボイス制度についての歯科医師会の説明を読んでみる。歯科技工所にインボイスの発行を促し、技工所との値引き交渉の材料にできるように読める。しかしよくよく調べると、自費収入5千万円以下の歯科医院、つまりほとんどの歯科医院は関係ないらしい。自費収入1千万円以下は消費税免税だし、5千万円以下は簡易課税で、技工所にインボイスを求める必要がない▼技工所には鬼のような制度だ。歯科医院の求めでインボイスを発行すれば、課税事業者になってしまう。ただでさえ零細の技工所に大きな痛手で、その上値引き交渉の材料に使われてはたまらない。もっとも値引き交渉に使うこと自体、独禁法違反の可能性があるのだが、お気づきでないようだ▼マイナポイントはお得というが、ポイントに釣られてマイナンバーカードを作ればそれ相応のリスクがあるのでは? これも調べてみると、口座紐づけは「給付の受け取りのため」と言うが今後税や保険料の徴収に使われかねず、さらに保険証と紐付けすれば健康情報が国に筒抜けの上、通帳と実印と保険証をポケットに入れて出かけるようなもの。物騒なことこの上ない▼新しいことには、よくよく調べて納得できるまで手を出さないことだ。酔いが急に醒めてきた。今ならまだ止められる。声を上げよう(酔)
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