兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年6月25日(2041号) ピックアップニュース

燭心

 今年3月に陸上自衛隊石垣駐屯地が開庁した。地対艦ミサイル、地対空ミサイル部隊が配置され、隊員約570人が駐屯している。台湾有事、朝鮮半島有事などの軍事的脅威に対する防衛体制強化が目的であるという▼しかし、自衛隊が有事に守るのは国であっても国民ではない。沖縄県民が被害を受けても、自衛隊が守るのは住民ではないのだ▼さて、中国は日本から攻撃を受ければ、即座に日本の原発を正確に攻撃できる用意があるとも聞く。核攻撃に匹敵する被害をもたらし、インフラ破壊としても効果的なのはウクライナ戦争で自明だ。日本の軍事力は中国相手ではアメリカの不沈空母と特攻隊に過ぎない。先の大戦からの進歩は感じられない▼自衛隊員を夫にもつ従業員にこんな話をしたところ、最近その娘さんが半分冗談めかして「お父さんが元気で帰ってくるとは限らないから、もっと優しくしてね」とのこと。少しずつきな臭くなってきている状況を肌で感じているのかもしれない▼阪神地区の人間は大震災の折、自衛隊員の方々にお世話になった。仮設での補給、仮設浴場、インフラ復旧や廃棄物の輸送。数え上げれば枚挙に暇がない▼政府は安保3文書で「敵基地攻撃能力」の保有を認め、5年間で43兆円と軍事費を大幅に増やすことを決めた。これは周辺国にとっては挑発行為であり、石垣は「最前線」となりかねない。島民や自衛隊員を守るため、駐屯地を廃止する運動を起こしたい。さすがに呑んでいる場合じゃない。(酔)
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