兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年11月15日(2054号) ピックアップニュース

燭心

 沖縄人民党は、47年に結成。米国軍の暴政に抗い、祖国復帰運動の先頭に立ち、いかなる弾圧にも屈することなく沖縄の大衆の運動を支援してきた。同党書記長である瀬長亀次郎の座右の銘は「不屈」。私は人生で逆境に立った時、瀬長に関する著作や記録映画に多くの勇気を頂いた▼52年、立法院選挙に当選した瀬長は、議会で米国への宣誓を拒否、米軍にとって好ましからぬ人物とみなされ、54年には投獄を経験した。56年に出所し、米軍の土地強奪に抵抗する運動で、民衆の圧倒的な支持を得て那覇市長に当選。米軍は瀬長の失脚を試みるも、民衆の支援に阻まれ、最終的に被選挙権を剥奪する特例(瀬長布令)で、瀬長市政を終了させた。67年の布令廃止まで表舞台に立たずも、大衆との絆を深めた瀬長は68年に立法院へ復帰し、沖縄返還前の初の国政選挙で70年に衆議院へ選出、73年に日本共産党への組織的合流を果たして50年が経過した▼いま、世界情勢をめぐる報道には胸を痛めるばかりである。イスラエルのガザ自治区への攻撃に対し、「人道的休戦」を求める国連決議に、日本は棄権した。多数の人命が理不尽にも失われる事態を黙殺する態度に、親日的なアラブ諸国からも批判の声がある。即時休戦を願わぬ国民はいないであろう▼瀬長の有名な演説に「瀬長が叫べば50m先まで、沖縄人民数十万が叫べば、米国まで声が届く」という一節がある。いまこそ国民が一丸となり「即時休戦」の声を、ガザに届ける時ではないか。(眞)
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