兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年11月25日(2055号) ピックアップニュース

主張
軍事費ではなく医療・社会保障費増を

 岸田政権は、今月10日、本年度の補正予算案を閣議決定した。一般会計への追加歳出額はおよそ13.2兆円である。
 「経済対策」をうたっているが、突出するのは、「防衛費」8130億円である。当初予算と合わせると、7兆6349億円に膨らむ。専守防衛から逸脱し憲法違反と指摘される「敵基地攻撃能力」整備や、沖縄県民の反対を押し切って進める、米軍辺野古新基地建設に充てられる。
 「物価高から国民生活を守る」と言いながら、国民の望む消費税減税には背を向けている。「持続的賃上げ」とはうらはらに、最低賃金の先進国水準である1500円への引き上げは、「2030年代半ば」と先送りする。
 一方、半導体やAI事業への補助金などとして、大企業支援におよそ3兆円を盛り込む。住民税非課税世帯への給付金(1世帯7万円)などが盛り込まれたが、生活を守る水準とは程遠い。
 大軍拡と大企業奉仕の補正予算と言わざるを得ない。
 一方、社会保障の分野では、来年度の診療報酬の引き下げを財務省が主張するなど、改悪に向けての動きが強まっている。
 来年の通常国会に向けて、薬剤自己負担の引き上げ、介護保険料・利用料の引き上げ、後期高齢者医療制度における「現役並み所得」の見直しなど、さらなる患者・利用者負担増が画策されている。
 コロナ禍での景気悪化と、それに続く異常な物価高で、国民の暮らしは疲弊している。「国民生活を守る」と言うのであれば、社会保障の改悪はただちに中止すべきである。
 来年度の概算要求を見ると、「防衛費」は空前の7.7兆円に達する。岸田政権2年間で、2.3兆円の増加である。2.3兆円あれば、給付の拡大や、負担の引き下げなど、さまざまの社会保障の拡充が可能である。
 「安全保障」を口実にするが、ウクライナやパレスチナの例を引くまでもない。武力を紛争解決の手段としてはならないのは、日本国憲法の示すところだ。
 軍事費ではなく社会保障費の拡充、暮らしの安全保障こそ、わが国がとるべき道である。
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