兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2023年11月25日(2055号) ピックアップニュース

医療改善へ皆で声をあげよう
「オール近畿アクション2023」御堂筋でアピール

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大阪・御堂筋でプラカードを掲げて通行人に保険証の存続などを訴える兵庫協会の役員ら

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基調報告した西山理事長

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会場には近畿各県から350人が集まった

 社会保障の拡充で、いのち・暮らしを守ろう--。近畿各府県の保険医協会と社会保障推進協議会でつくる実行委員会は11月5日、大阪・なんば御堂筋ホールで、「オール近畿アクション2023」を開催。加盟各団体から約350人が集まり、「社会保障費を増やせ!」「保険証を残せ!」などと声を上げた。兵庫協会からは、西山裕康理事長、武村義人・口分田真両副理事長、大澤芳清・多田和彦・高島俊永各理事、川西敏雄参与、山内道士・松岡泰夫・島津俊二・西山茂樹各評議員とその家族、事務局など31人が参加した。

西山理事長「社会保障の充実必要」
介護・障害・インボイスなど各分野から発言
 開会あいさつに立った、大阪協会の宇都宮健弘理事長が「岸田政権は保険証廃止という愚策を進め、軍事費増・社会保障費削減を進めている」「大阪では維新の会がIR・万博を進めている。市場原理主義に則った一部の者が利権を得るという政治がはびこっている」と批判した。
 基調報告では兵庫協会の西山裕康理事長が「マイナンバーカードの保険証利用とその問題点」を中心に講演。
 現場からの不満や要望がないのに、今の保険証を廃止する目的はマイナンバーカードの普及であると指摘し、オンライン資格確認義務化によって9割の医療機関がシステムを導入したが、トラブルが多発し、利便性もないため、利用率は5%以下であると紹介した。それでも政府が保険証廃止を強引に進める真の目的は医療情報・健康情報の流用による企業への利益供与であり、その制度を後押しする政官財の癒着構造があると、分かりやすく解説した。
 そして、岸田首相が積極的に取り組んでいることは、敵基地攻撃能力の保有を含めた防衛力の強化と防衛予算の拡大であり、その背景にはアメリカの意向と圧力があること、そのために社会保障費、特に医療費抑制がターゲットとなると指摘。
 必要なのは大企業・富裕層の応分の負担で財源をつくり、消費税減税をはじめとする国民負担の軽減と社会保障の充実を行うことであるとし、「保険証廃止」を争点とし、野党が共闘して、現在の命を奪う暴走政治をストップさせようと訴えた。
 また、住江憲勇・保団連会長が、国民生活は基本的人権が危ぶまれる実態であるとし、その改善のためには、大企業・富裕層への課税拡大で、所得再分配の強化が求められると強調した。
 宝塚医療生協ヘルパーステーションひだまりの山下久実子さんは、低すぎる介護報酬により介護職員が低賃金におかれていること、利用者がマイナ保険証を取得するのは非常に困難であることなど、介護現場の実態を語った。
 他に、障害者の健康を守るための窓口負担ゼロの必要性、年金引き上げの必要性、生活保護の改善、中小業者を苦しめるインボイス制度の問題点や子ども医療費拡充の取り組みなど各分野から発言があった。
 集会には、立憲民主党の桜井周・森山浩行両衆議院議員、日本共産党の宮本岳志衆議院議員、倉林明子・山下芳生両参議院議員より賛同・メッセージが寄せられた。
 集会終了後、参加者は会場前の御堂筋に並び、「ストップ!医療崩壊」「残せ!保険証」などのスローガンが書かれたプラカードを掲げスタンディングを実施。通行人にアピールした。
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