兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年2月25日(2062号) ピックアップニュース

燭心

 先日スマホのラインアプリの着信音が鳴らなくなり、設定を見直したがうまくいかない。息子も「分からん!」とのことで、アプリを再インストールした。設定をいい加減にしたためか、すぐに各方面から「いきなり友だち追加されたけど...」などとラインが相次ぎ、言い訳の返信に大わらわ。スマホ登録の番号が自動的に追加されていた。安易に同意するITリテラシーの低さを「友だち」にさらけ出し、同時にあっという間の情報拡散に驚いた▼報道によると、国家公務員のマイナ保険証利用率は昨年11月時点で4.36%。最も高い総務省で6.26%、最も低かったのは防衛省で2.50%である▼各種のアメもムチも効果なく、ついには現行の保険証を廃止してまでゴリ押しするマイナ保険証は、推進側がこの有様では説得力の欠片もなく大失敗である▼「ブロック太郎」こと河野デジタル相はマイナ保険証の利用が進まないことに対し「イデオロギー的に反対される方は、いつまで経っても『不安だ』『不安だ』とおっしゃるでしょう」と言ったが、95%の国家公務員にもこの「イデオロギー論」をぶちかますのか▼マイナ保険証の利用が進まないのは、単に制度の利便性が実感できず、信頼性もないためである。「最もセキュリティに不安を感じる身分証明書」の第1位はマイナンバーカードの82%。私は医療・健康情報を「ブロック」し「防衛」しようと思うが、そんな人間は「誰一人取り残されないデジタル社会」から排除されるのか。(空)
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