兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2024年2月25日(2062号) ピックアップニュース

主張
派閥と裏金作り 金権腐敗政治の一掃を

 「政治には金がかかる」として、国民1人当たり250円/年の負担で、毎年総額300億円超の政党交付金制度があり各政党に与えられている(共産党は受け取りを拒否)。
 それぞれの国民が支持していない政党に対する資金が、税金として徴収されること自体、違法性が強い。
 そしてそれは事実上「政策活動費」として分配され、使途については〝政治活動の自由〟として報告の必要はないという。
 その上に、今回は自民党の政治資金パーティー収入の大問題が暴露された。資金集めのパーティーそのものも問題であるが、ノルマを超えた分が議員個人にキックバックされ、収支報告もされていなかったのだ。
 つまり、法的に禁止されている企業・団体から政党への献金が実質的に行われており、またその剰余を議員に力の論理で分配し、報告もしていなかったのだ。政治資金規正法が〝ザル法〟と言われるゆえんである。
 なぜ政治に金がかかるのか? 〝選挙に勝つ〟ためという。そしてその資金の分配は各派閥の領袖が実権を握っているとのこと。全体を俯瞰してみると、派閥の領袖が有力な族議員を当選させるべく、企業・団体の莫大な政治献金を使う。そして選挙に勝って、その企業への利益誘導政策を行うという構図だ。
 かつてリクルート事件の時、派閥を解消するという動きがあったが、〝勉強会〟と称して事実上派閥が再建された。今回も派閥を解散し、〝政策集団〟とするとしているが目くらましもいいところ、子どもだましにもなっていない。
 これまで様々な利益誘導政策があったが、医療DX、マイナ保険証はその最たるものである。
 日立製作所、富士通、NEC、NTTデータが、自民党の政治資金団体に、分かっているだけでも約6億円の献金をし、不完全でだれも望まない莫大なシステム事業を受注して、おまけに天下りポストまで提供。
 政府は「全世代型社会保障」と言うが、そこでは大企業の社会的責任は問われず、貧しい国民がお互いに助け合うという自助・共助の制度となってきている。
 一方で、大企業の内部留保、配当金、役員報酬は右肩上がりに増加の一途。
 貧困と格差社会は深刻化し、少子化も深刻な事態となっている。早急に政治の流れを変え、社会保障の充実に舵を切り替えることが喫緊の課題である。
 そのために、金権腐敗政治のもととなる、企業・団体の政治献金を完全に廃止することは絶対条件である。
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