2025年5月25日(2102号) ピックアップニュース
第105回評議員会を開催
参院選で医療改善実現を


(上)参院選で医療費総枠拡大・患者負担減を求めていくなどの方針を確認した
(下)豊富なデータや資料をもとに、地位協定の問題点や沖縄での自衛隊強化の現状を語った前泊氏
議事では、武村義人副理事長が24年度会務報告として、昨年度診療報酬改定で、病院・診療所ともいっそうの医療提供の困難を余儀なくされるなか、協会は再改定、不合理是正を粘り強く要請してきたと報告。後発品のある先発品の保険外しなど、患者負担増・保険診療範囲の縮小が進められる中、高額療養費制度の負担増は患者との共同の運動で凍結させたとして、今年の参議院選挙などで医療費の総枠拡大・患者負担減の実現を求めていくとした。
討論では多職種連携や医院経営、災害など多彩なテーマでの支部の企画紹介や、被爆80年・非核「神戸方式」50年の継承の取り組み、アスベスト・PFAS対策、歯科診療報酬改善など、17人が発言。
役員改選で再選された西山裕康理事長は「医療機関経営の深刻な危機の背景には『医療費亡国論』に基づいた長期的な医療費抑制政策がある。医師の絶対数不足を『偏在』問題にすり替え、その対策として、開業規制、管理者要件の拡大などが一体として検討され、自由な医療提供体制が大きく揺らいでいる。国民も医療機関も大半が反対を示した、従来の健康保険証の新規発行停止には、政府の情報管理・利権誘導が透けて見え、強い疑念と憤りを感じる」などとあいさつし、全力で職責を果たすと述べた。
特別講演
紛争危機高まる沖縄「当事者的非戦論」を
特別講演で前泊氏は、沖縄県では米軍基地の負担に加え、自衛隊の強化が進んでいると紹介。専守防衛を逸脱する空母の整備、自衛隊の南西諸島での増強・ミサイル配備計画など、日本政府は軍拡を推し進め、在沖米海兵隊の現役幹部が「第一列島線に家族が同行すべきでない」と、隊員家族の米本国への撤収を提言するほど、紛争危機が高められているとした。
台湾有事となれば、沖縄は「捨て石」とされる危険性が高く、さらに「日本中が火だるまになる」との駐日中国大使の発言をひいて警告。深刻な事態に歯止めをかけるためには、「傍観者的好戦論」ではなく「当事者的非戦論」が必要で、非戦・奴隷的拘束からの自由、職業・国籍選択の自由を保障した憲法9条・18条・22条が問われているとして、参議院選挙がその一歩と強調した。