兵庫県保険医協会

　保険診療法制研究会は、15年の立ち上げ以来、弁護士数名が2カ月に1回程度集まり、協会理事長の西山裕康先生、副理事長の吉岡巌先生にもご出席いただいて、保険医に関わる様々な法的問題について、意見交換をし、勉強会を継続してまいりました。
　特に、健康保険法等に基づく保険医療機関及び保険医等に対する指導・監査制度の法的問題については、2019年に「提言」をとりまとめ、指導における弁護士帯同等を通じて、適正な指導が実施されるよう、今後も力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
　このたび当研究会では新たに、法的知識の冊子を発刊させていただくことになりました。多くの会員の皆様は、開業するにあたり、テナントの賃貸借契約、リフォーム工事の発注、医療機器のリース契約、医療スタッフの雇用、宣伝広告、経営コンサルタント契約など、経営に関わる様々な契約を締結することが求められます。
　開業に伴う契約ともなりますと、通常、それまでに経験された契約とは比べものにならないほどに規模は大きく金額は多額となり、ひとたび、トラブルになるとその影響は小さくありません。また、スタッフの労務問題、患者からのクレーム対応、インターネットの口コミの対応など、開業後も経営に関わる法的トラブルに直面する可能性はあり、このような日常的に生じ得る法的問題に関し、日頃から基本的な法知識を有しておくことが、医療スタッフや患者とのトラブルの回避につながります。
　このたびの冊子では、開業医またはこれから開業される保険医の皆様が、直面されるであろう各場面においてトラブルになりやすい場面を想定し、紛争予防的な観点から、法的アドバイスをできる限り簡潔にまとめました。
　ぜひ、会員の皆さまにお手にとっていただき、お役に立てる一冊になればと執筆者一同願っています。
※本号に冊子を同封。お問い合わせや追加ご注文は、電話078-393－1840まで