2025年6月05日(2103号) ピックアップニュース
医療と暮らしの破壊にNO!
参院選を前にパンフレットを発行

必要な医療が受けられなくなる!?
物価や人件費の高騰に対し、診療報酬はほとんど引き上げられず、2025年3月の調査では全国の病院の6割が赤字に転落していた。入院ベッドの削減や診療所の閉鎖も続いており、地方を中心に「必要な医療がすぐに受けられない地域」が確実に広がっている。政府はこうした現実に目を向けるどころか、75歳以上の高齢者に対する医療費負担の引き上げを推進している。現役並み所得とみなす基準を引き下げて3割負担の対象者を増やし、さらには収入だけでなく「資産」も負担判定の材料とする方向で議論が進んでいる。これは、生活の実態を無視した乱暴な制度設計であり、高齢者の医療アクセスを狭める危険性がある。
先発薬に「特別料金」
さらに、2024年10月からは「特別料金制度」(選定療養化)が導入され、後発医薬品がある薬で先発薬を選んだ場合、その差額の一部が自己負担となる。日本維新の会などからは、差額の全額を自己負担とするべきとの意見も出ており、医療の自由選択にすら経済格差が持ち込まれつつある。OTC類似薬を保険から外すという議論も現実味を帯びてきた。軽度の症状には市販薬で対処せよという方針の裏には、大手薬局や製薬メーカー、民間保険業界の利害が絡んでいる。だが、自己判断での服薬は高齢者や慢性疾患の患者にとって重大なリスクを孕み、結果的に重症化や受診遅れを招くことになりかねない。
裏金・脱税、企業優先......
本パンフレットでは、マイナ保険証制度をめぐる官民癒着の構造や、政治資金パーティーによる裏金問題、企業献金に依存する政治構造についても言及している。社会保障費の抑制が、こうした「政治と金」の歪んだ構図の中で進められている現実は、看過できない。特に高額療養費制度の見直し案は、政府与党および維新や国民民主党の一部によって推進されたが、患者団体などの反対を受け、選挙前には凍結された。だがこれは一時的な「見送り」にすぎず、選挙後に再浮上する可能性が高い。私たちはこの「凍結」の本質を見誤ってはならない。
待合室に設置等 気軽にご活用を
このパンフレットは、私たち医療者が患者とともに現実を共有し、政治の流れを変える一助とすべく作成されたものである。会員各位にも、ぜひこのパンフレットをご活用いただきたい。待合室への設置や、診療中の話題提供など、身近な実践が政治への関心を高めることになる。※パンフレットは本号に1部同封しています。追加ご注文は、同封の注文用紙で、または電話078-393-1807まで
以下の保団連リーフレットも同封しています。あわせてご活用ください!
今号同封の保団連作成リーフレット
兵庫作成リーフレット「7月参議院選挙で問われる命の優先順位」(1面)とあわせて、ご活用ください!「日本の医療・介護 なーんかおかしくない?」 | 「医療と消費税の関係」 |
![]() |
![]() |
追加ご注文・お問い合わせは、電話078-393-1807まで