2025年7月05日(2106号) ピックアップニュース
第57回総会・記念講演を開催
防衛費ではなく医療費拡大を

「感染症に立ち向かうこれからの免疫学」をテーマとした記念講演に多数の参加があり、活発な質疑応答が行われた

医療機関経営の危機に対する緊急的な対応が必要と訴えた西山理事長
西山裕康理事長はあいさつで、「全国病院の6割以上が赤字、内部留保は枯渇し、新たな投資どころか、医療機器の更新すらできない。兵庫県の直営10病院は2年連続赤字という深刻な状況にある。このままでは、ある日突然、地域の基幹病院がなくなってしまうという状況が現実のものとなりかねない。診療所も例外ではなく、利益率の最頻値がマイナスという危機的状況で、倒産や廃業が地域医療に空白を生みかねない。医療は公定価格のため、患者さんへの価格転嫁ができない。診療報酬の期中改定、補助金など緊急的な対応が必要」と医療費抑制政策を転換し、診療報酬を引き上げる必要性を強く訴えた。
会場からは「参議院選挙は政治を変える大きなチャンス」「医療者として、戦争や差別に加担するのではなく、命と健康を守る立場から社会に声を届けること。すべての住民が安心して医療にかかれる地域を築くことは、私たちの使命」「阪神・淡路大震災30年の集い開催と書籍活用のお願い」など、議案を補強する立場で7人から発言がなされた。
議事の最後には、7月の参議院選挙について、「医療・社会保障のさらなる後退を許さず、軍拡や憲法破壊を推し進める政治の流れを変えるためにも、私たちはこの選挙に強い危機感をもって臨むべき」「被爆80年を迎える本年、戦争の惨禍を繰り返さないという誓いに背く動きに、強く抗議する」などとし、「防衛費拡大をやめ、医療・社会保障費を拡大すること」「診療報酬、介護報酬の緊急改定を行い、抜本的引き上げと不合理是正を行うこと」などを求める決議を、拍手で採択した。
来賓として、保団連副会長・大阪府歯科保険医協会理事長の小澤力先生があいさつした。