兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2025年8月25日(2110号) ピックアップニュース

[報告] 国際部共催・パレスチナ子ども救済基金(PCRF)講演会
命の危機にあるパレスチナの子どもたちへ医療を 国際部長 水間 美宏

2110_05.jpg

PCRFと主催・共催団体メンバーで

 国際部は7月5日、パレスチナ子ども救済基金(PCRF)が、フレンズ・オブ・パレスチナ神戸や寄付・フォー・パレスチナとともに行った講演会を共催した。講演会には120人が参加した。国際部長の水間美宏先生の報告を紹介する。
 7月5日に大阪大学中之島センターで、PCRF(パレスチナ子ども救済基金)の来日講演会がありました。PCRFは1991年に設立され、パレスチナに子ども病院をつくると共に、必要なら子どもを海外に避難させ医療を行っています。
 講演前のバザーにはパレスチナの刺繍や石鹸や菓子の販売コーナーや、パートナーであるMSF(国境なき医師団)のブースもありました。
 アラブ音楽の演奏のあと、フレンズ・オブ・パレスチナ神戸の須本エドワード氏のあいさつがあり、共催した兵庫県保険医協会も紹介されました。
 PCRF理事長で弁護士のビビアン・カラフ氏は、636日続くジェノサイドにより1万8千人以上の子どもが殺され、4万人以上が孤児となり、6万人以上の子どもが餓死の危機にあると述べました。
 医学生のタレック・ハイラット氏は、 2023年10月以降だけで294人の子どもを40カ国以上で受け入れたと述べ、日本でも受け入れてもらうよう訴えました。
 北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚義夫医師は、2010年に奉仕団を立ち上げ、特殊な弾丸で筋肉、骨、神経、血管を破壊された人の治療もしたと述べました。ガザで運動療法の指導を行い、最近では札幌に研修のため医師を招いているそうです
 アメリカでリハビリを受けている少年は、インターネットの画面から「私の一番の思い出は生まれ育った家です。誕生日に食べ物はなくても父と一緒で幸せでした。しかし突然叫び声が聞こえ、目を開けると死体や瓦礫でいっぱいでした。自分の足に血が流れていました。救急車で運ばれた病院で、アメリカで治療を続けたいと言われました。父は『君は強い、君ならできる』と言いました。今は英語も勉強して、何が起こっているか世界に知らせたいです。私の家族はまだ故郷にいます。いつか故郷に戻りたいです」と話しました。
 会では今回の利益20万円をPCRFに寄付し、今後の医療協力についても検討する予定です。

2110_06.jpg ※PCRFへ寄付される方は左の二次元コードからお願いします。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方