2025年9月05日(2111号) ピックアップニュース
核戦争を防止する兵庫県医師の会 第44回総会
戦争と原爆を忘れないで

15歳で被爆した経験を語る岡邊さん
記念講演は兵庫県原爆被害者団体協議会(県被団協)前理事長の岡邊好子さんが「被爆証言-15歳の私が見たもの」をテーマに被爆体験を語り、市民ら53人(うちZoom10人)が参加した。
岡邊さんは15歳の時に広島で、学徒動員に出かける時に爆心地から1.5キロの自宅で被爆。働きに出かけていた母親は、命からがら自宅に帰ってきたが背中にひどいやけどを負っていた。板に母親を載せ、焼け焦げた人、倒れた人をかき分けながら避難所の小学校まで妹と20キロ近く歩いて運んだ。
小学校には姉と父も避難しており再会することができたが、二人は大きなやけどを負っていた。妹と必死に看病を続けていたが、父親は終戦直後の8月18日に亡くなり、戦後は岡山の親戚のもとでしばらく暮らしたが居心地が良くなく、大阪に出て仕事を三つ掛け持ちしながら働いた苦労などを語った。
また、95歳で被爆体験を語ることは体力的、精神的に負担が大きいとしながらも、15歳での被爆体験を語れる人が減っていることから「自分がやらなければ」「一人でも多くの人に知ってもらわねば」という使命を感じていると話した。
最後に、参議院選挙候補者の「核武装は安上がり」発言を批判しながら、「戦争と原爆を忘れてはならない。『平和』という文字が薄くなっているのではないか」「私たちは政治に関心を持たなければならない」と参加者に呼びかけた。
※反核医師の会は、命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、核戦争を許さず、核兵器廃絶をめざして活動しています。ぜひご入会ください(会費:年額5000円)。お申し込みは、電話078-393-1807まで