2025年10月15日(2115号) ピックアップニュース
燭心
〝使えるお金を増やす〟--以前から政治家を含む一般の人たちに、社会保障の大切さについて認識を深めてもらう方法を模索してきた。そのつかみとして一言で納得・理解できるよう「社会保障は国民の可処分所得アップ」「社会保障は見えない収入アップ」など考えてきたが、冒頭のキャッチが一番ふさわしいと感じる▼実はこれは明石市の施策キャッチである。同市は医療を含む社会保障充実(5つの無料化・高齢者・障碍者・更生支援・多様性・医療など)に注力し、実際に歳入も人口も増やした。人口の取り合いをしただけと揶揄する声もあるが、政策実行には想像を絶する困難があったと思われ、評価すべきであろう▼翻って、神戸市である。「山から海へ」の大型箱モノ開発の精神のまま、震災復旧を進めた。人を軽視した手法は明らかに失敗したにも関わらず、近年も市民生活に寄り添わず、三宮開発を推し進めている。この4年間、政令指定都市の中で一番人口を減らしている▼今般の市長選挙、兵庫県保険医協会は、神戸支部での議論を経て、岡崎史典氏の推薦を理事会で決定した。「福祉に予算を回さず、市民の暮らしに寄り添わない市政を継続させるわけにはいかない、市民目線の政策に取り組む」(神戸新聞より抜粋)。冒頭のキャッチの通り、社会保障充実でお金を多く使えることにより市民の活力は高まり、結果、好景気を招く。そういう未来の神戸を見てみたい。使い古された文言だが、選挙権を行使しよう。(蓮)