兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2025年10月15日(2115号) ピックアップニュース

県歯科技工士会との懇談
歯科医療費総枠拡大のため連携を

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県歯科技工士会の山口陽司会長(左)と川村歯科部会長が懇談し、活発に意見交換

 協会は9月18日、協会応接室で兵庫県歯科技工士会と懇談。同会から山口陽司会長が、協会から川村雅之歯科部会長・副理事長が参加。歯科技工危機をめぐる情勢認識や危機打開に向けた取り組みを交流した。
 山口会長は、自身も参加した「2・1歯科技工の危機を乗り越えよう!ホンネで語る夕べ」(「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会主催)を振り返り、「御会の継続した取り組みに敬意を表したい。高齢化や厳しい経営実態など、当日報告されたアンケート結果は本会の実感とも重なる」とした。川村部会長は「国民の口腔内に歯科技工物を提供できなくなる技工危機が目前に迫っている。立場を超えて歯科界全体が危機打開のために連帯する必要がある」と応じた。
 また山口会長は「先日MBSでオンエアされた歯科技工危機問題の番組(兵庫連絡会が取材協力)を視聴した。歯科技工業界の厳しい状況に警鐘を鳴らすだけでなく、技工士を目指す若者が、希望を持ちづらい現状が喝破されており、優れた内容と感じた」などとした。川村部会長も「放送内容に抗議する『申し入れ』が日本歯科技工士会を含む3団体から保団連宛に届き驚いていたが、兵庫県のレベルでは共感を持って受け入れていただき、ありがたい。今後も歯科業界で議論を重ねることにとどまらず、国民世論を巻き込んだ発信が必要ではないか」と応じた。
 川村部会長は「歯科技工危機打開に向けて、『製作技工料』が適切に歯科技工所に配分される実効性のあるルールづくりが不可欠。そのためにも、歯科医療費の総枠拡大と患者窓口負担割合の引き下げを求め、社会保障充実を阻む軍事大国化と戦争準備を許さない大きな運動が必要ではないか」とし、共同の取り組みを呼びかけた。
 山口会長は「政府が技工危機の打開策として推進するデジタル化やCAD/CAMへの移行推進は、技工所の多数を占める1人ラボでは対応が困難。御会の主張する歯科医療費の総枠拡大でこそ業界全体が浮かび上がれると認識している」とした。
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