兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2025年11月05日(2117号) ピックアップニュース

神戸支部第46回総会・記念企画
「依存症と共に生きる」患者支えよう 元TOKIOの山口達也氏・大谷夏実先生が講演

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アルコール依存症当事者としての経験を具体的エピソードをまじえて語る山口氏

 神戸支部は10月18日、県農業会館大ホールで、第46回支部総会・記念企画を開催。「依存症と共に生きる」をテーマとし、「アルコール依存と向き合う」について元TOKIOの山口達也氏、「日常診療で依存症かな?と思ったら」について、長田区・にじハートクリニックの大谷夏実院長が講演した。会員・職員あわせ201人が参加した。
 大谷先生は、依存症は怠けている・意志が弱いと思われがちだが、自分の意志でやめることができない、慢性・進行性・致死性の脳の病気であると説明。大切なのは通院とともに自助グループなどの仲間の存在であり、医療者が依存症を正しく理解し専門医につなぐこと、寄り添い話を聞くことが重要と強調した。
 自身がアルコール依存症当事者である山口氏は、依存症になっていった経過と当時の思いを赤裸々に語った。オートバイによる飲酒事故を起こし、どん底の状況でやっと助けを求めることができ、自助グループにたどりつくことができたという。
 依存症は現在も治ったわけではなく「明日飲んでしまうかもしれない」という状況のなか講演活動は治療でもあるとして、自分と未来を変えるために努力を続けていくと語った。
 参加者からは「山口達也氏の本人のリアルな体験・背景を知ることができて非常に興味深かった。アルコール依存症というものの怖さがよく分かった」(医師)、「依存症に対する考え方が間違っていることに気付くことができました」(看護師)、「大谷先生のお話は『依存症』についてとても分かりやすく医学的に理解できました」(事務)などの声が寄せられた。
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