2025年12月15日(2121号) ピックアップニュース
「ロゼバラミン」出荷調整問題でエーザイ社と懇談
早期の安定供給 増産状況の開示求める
早期の安定供給を求める要望書を澤田氏(右2人目)に提出
西本氏は初めに、「ロゼバラミン」の供給不足が続いていることについて、「患者様、医療者に不安を与えご迷惑をおかけしていることをお詫びしたい」と表明。「ロゼバラミン」を必要とする患者様に供給できるような体制の整備に向け、取り組んでいることなどを説明した。現在も既存の生産ラインを最大限に活用することで限定出荷前に比べて12%の増産を実現しているが、追加の生産ラインの整備には一定の時間を要すると説明した。
澤田氏は、「新規の生産ラインの整備には通常は審査もあわせて3年程度を要するが、2年にあたる2027年3月の限定出荷解除を目指して現在取り組んでいる。加えて、少しでも早く限定出荷が解除できるように全力を尽くしており、国に審査期間の短縮についても相談している」と話した。
一方、多くのALS患者様に必要とされている医薬品だけに、確定していない情報や、今後変動する可能性の高い内容を発信することにはリスクが伴うと説明。現時点で公開できる情報に制限があることについても理解を求めた。その上で、日本ALS協会に対してはこれまで進捗状況の報告を行ってきており、当協会にも今後示すことのできるものについて細やかに報告していくとした。
広川顧問は「ロゼバラミンはALSの患者さん、その家族、医療関係者が待ち望んでいた医薬品だ。例えば乗車中の電車が急に止まったときに『なぜ止まったのか』『いつ動き出すのか』の車内放送がなされるように、保険医薬品であるロゼバラミンの供給再開に向けたロードマップはわかる範囲で適宜伝えられる必要がある。進捗状況についてこれから当協会にも伝えていただけるように」と重ねて要請。西山理事長も「われわれ医療団体としてできることがあれば協力したい」と応じた。



