兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2026年1月05日(2122号) ピックアップニュース

燭心

 今の日本社会では、何を行うにも金が必要となり、財布のひもを握る者が力を持つ。その構図を象徴しているのが財務省である▼財務省は、国家の財布のひもを握っている省庁だ。そして、その立場を背景に、他省庁の政策にまで口を出し続けている。国民から集めた税金をあたかも自らの裁量で使えるかのように振る舞い、「人のふんどしで相撲を取る」姿そのものと言える▼予算は各省庁が政策を立案後、財務省がチェックする体を取る。しかし実際には財務省が方向性を主導している。特に、われわれと関係が深い医療政策への介入は深刻だ。毎年、「建議」などを通じ、医療のみならず社会保障費全般の削減を提言し続けている▼診療所の利益が大きいとして「適正化」(=引き下げ)が必要と、機能強化加算や外来管理加算の廃止を主張。リフィル処方を推進し、OTC類似薬にとどまらず外来薬剤についても、さらなる自己負担が必要だという▼そもそも財務省設置法を見ると、医療・介護や社会保障という文言は見当たらない。「健全な財政」を掲げるとしても、日本の医療の未来像を描くのは厚労省の役割である。そこに必要な予算の裏付けを与えるのが財務省の本来の役割だ。それが法律であり、筋である▼国民の健康を軽んじるかのように、財務省は医療・介護の削減を進めようとしている。しかし財務省が管理する金は私たち国民から集めた税金。その使い道を決めるのは、財務省ではなく国民だ。政治の転換が求められている。(蓮)
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