2026年1月05日(2122号) ピックアップニュース
[感想文] 国際部/西宮・芦屋支部講演会
人権に則った在留外国人制度の確立を
クルド人の歴史や国内のクルド人の方々の暮らしを紹介したワッカスさん
夏の参議院選挙では、外国人問題が大きく取り上げられ、日本人ファーストを掲げる政党が躍進した。相前後して埼玉県川口市・蕨市在留のクルド人への差別が激化していた。
この講演会はこの「クルド人問題」について正確に理解するために企画され、2009年に来日し、東京外国語大学でクルド言語講座の講師をしているワッカスさんをお招きした。講演に参加したので、その感想を述べる。
クルド人は国を持たない世界最大の少数民族と言われる。クルド語を母国語とする人は4500万から5000万人いると言われている。古来メソポタミア文明の地に居住し、現在はトルコ、イラク、シリア、イランにまたがって定住している。ワッカスさんはトルコ国籍とのこと。現在2000人前後のクルド人が、シリア内戦前後から難民や留学生として来日し、暮らしていて、大半が川口市・蕨市に在住している。
在留外国人としては中国人90万人、ベトナム人66万人、韓国人41万人、などと比べても極めて少ない。なぜ問題になったかと言うと、理由は二つある。
一つは在留資格を得ることが難しく、2000人中700人が仮放免の状態にあり、制度上就労権がなく、行動の自由を奪われている状態にあるため、不法滞在者のレッテルを貼られやすい身分であること。
もう一つはクルド人国家がなく、居住している国からも保護されていなかったり、蔑視されていて、日本でヘイトを受けてもそれぞれの大使館から苦情が出なかったりしたためだという。それどころか、自国の政権与党からSNSで迫害されることも少なくないと言う。
ワッカスさんはクルド人が日本に溶け込めるために、日本クルド文化協会をつくり、地域ボランティア活動や、クルド料理教室などを開き、クルド人のための日本語教育にも取り組んでいる。毎年3月21日はクルドの新年祭(Newroz)で自由と民主主義への戦いを誓うという。
私の川口市在住の兄に聞いても、実際には何の問題も起きていないから、不思議だと言う。つねに弱者がいじめの対象となる。恥ずかしいことだ。
今後は人権に則った、ヒトにやさしい在留外国人制度(現在日本では正式な移民制度はないらしい)の確立が強く望まれる。
【西宮市 半田 伸夫】



