兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2026年1月25日(2123号) ピックアップニュース

談話 阪神・淡路大震災31年
地域医療を守ることこそ最大の防災  理事長 西山 裕康

2123_06.png  阪神・淡路大震災から31年が経ちました。1995年1月17日、兵庫を襲った激震は6400人余の尊い命を奪い、街と暮らし・地域社会に計り知れない被害をもたらしました。改めて、犠牲となられたすべての方々に深い哀悼の意を表し、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 会員の中には、診療所や自宅が被災し、自らや家族も被災者となりながら、地域に残り診療を続けてきた医師・歯科医師も少なくありませんでした。医療者は平時には地域医療を支え、災害時には住民の命と健康を守る役割を担う一方、自身も被災し得る存在です。この現実を踏まえれば、災害時にも機能する地域医療体制を平時から維持しておくことが不可欠です。
 近年も、能登半島地震をはじめ、豪雨や洪水、大規模火災など自然災害が相次いでいます。政府は南海トラフ巨大地震の高い発生確率を示していますが、医療費抑制を最優先する政策のもと、病床削減や医療機関の統廃合が進められ、地域医療は平時から余力を失いつつあります。
 こうした脆弱化した医療体制では、巨大災害時に急増する医療ニーズに応えることはできません。行き過ぎた医療の「効率化」は、災害時の医療崩壊として住民に跳ね返ることになります。
 兵庫県保険医協会は阪神・淡路大震災以降、被災者本位の復興を求め、「医・職・住」を柱とする生活再建の重要性を一貫して訴えてきました。被災者生活再建支援法の成立とその後の改善など、一定の成果は得られましたが、能登半島地震における生活再建の遅れや、被災者の医療・介護自己負担免除打ち切りに見られるように、国の責任は今なお十分に果たされているとは言えません。
 震災の教訓は決して過去のものではありません。命と暮らし、そして地域医療を守ることこそが、最大の防災であり、復興の基盤です。私たち兵庫県保険医協会は、被災者と住民の立場に立ち、医療を社会の基盤として守るため、これからも粘り強く声を上げ続けていきます。
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