2026年2月25日(2126号) ピックアップニュース
燭心
2月8日の衆院選は、全議席の確定が翌9日午前8時を過ぎるという異例の幕切れとなった。自民党が圧倒的な議席を得る一方で、比例名簿の不足から他党へ議席が流出するという想定を超えた大勝を前にして、歓喜から当惑へと変化する自民党総裁の表情が印象に残る▼自民党の316議席は、絶対得票率で見れば有権者の約2割に過ぎない。この「多数」を背景に、軍拡優先の予算編成や、マイナ保険証の強制、医療費の窓口負担増が国民に「白紙委任」されたと考えるのは、早計である▼今、切実に求められているのは、「数の論理に抗う対立軸」よりも、「真っ当なリベラル勢力の結集」である。ここでいうリベラルとは、特定の政治勢力を指すのではない。「個人の尊厳」に敬意を払い、多様な生き方を互いに認め、尊重するという、人間の理性に基づく寛容さのことである。目の前のひとつの命、そして命を宿すその一人の人生のあり方を何よりも重んじる医療の本質こそ、リベラリズムの原点に他ならない▼県保険医協会は、会員の皆さまの尽力により、国民の生存権を守る「プラットフォーム」として、既存の枠組みを超え、現場の切実な声を国政に届けてきた。たとえ現時点での議席が少なくとも、リベラルな価値観が結集すれば、それは冷え切った政治に温もりを戻す確かな力となる。医療現場という社会の縮図に立つ私たちは、希望を捨てる必要はない。憲法25条の理念を羅針盤に、新しい政治の季節をここから始めていこう(眞)



