2026年3月15日(2128号) ピックアップニュース
[声明]
アメリカとイスラエルはイランへの攻撃を直ちに中止せよ
日本政府は無法な先制攻撃を厳しく非難せよ
アメリカとイスラエルのイランへの軍事攻撃に対し、協会は3月14日の正副理事長会で下記の声明を採択し、関係機関に送付した。
声明
米国とイスラエルは2月28日、イランに対する大規模な軍事攻撃を開始し、これを「先制攻撃」であると説明した。また、翌3月1日には、イランの最高指導者ハメネイ師が空爆により死亡したと報じられている。
この軍事攻撃は、イランの核問題をめぐる米国とイランの外交協議が続いていた最中に行われたものであり、外交による解決の努力を破壊するものである。相手国からの武力攻撃が発生した事実が確認されないまま行われた武力行使は、国連憲章が定める武力行使禁止の原則に明確に反する先制攻撃であり、断じて容認することはできない。
国連憲章は、国際関係における武力の行使や威嚇を原則として禁止している。しかも、仮に例外的に武力行使が認められるとしても、それは安全保障理事会の決議がある場合か、武力攻撃を受けた場合の自衛権の行使に限られるとされている。しかし今回の攻撃は、その例外的条件にすら該当しない。安保理決議もなく、米国やイスラエルに対してイランによる武力攻撃が発生した事実も確認されていないにもかかわらず、先制攻撃が行われたのである。これは、国連憲章がかろうじて設けている最低限の歯止めすら踏み越えるものであり、国際法秩序を根底から揺るがす重大な行為である。
また、主権国家の指導者を軍事攻撃によって殺害するという行為は、国際社会の基本的な規範を踏みにじるものであり、強く非難されなければならない。
さらに、米国政府はイスラエルとともに、イランに対して継続的な軍事攻撃を行う姿勢を示し、体制転換を求める発言まで行っている。他国の体制を軍事力によって転覆させようとする行為は、地域の不安定化を一層深刻にし、中東・西アジア地域全体を大規模な戦争に巻き込む危険を高めるものである。武力による問題解決は、さらなる暴力と報復の連鎖を生み出すだけであり、決して平和をもたらさない。
また、今回の攻撃の理由としてイランの核開発が強調されているが、この問題をめぐっては核不拡散体制の深刻な矛盾が存在している。イスラエルは核兵器不拡散条約(NPT)に加盟しておらず、核兵器を保有していると広く指摘されているにもかかわらず、国際原子力機関(IAEA)の査察体制の外に置かれている。一方、イランはNPT加盟国として査察体制の下にありながら、軍事攻撃の対象とされている。核兵器を事実上保有する国が査察を受けず、査察を受けている国が軍事攻撃の対象となるという状況は、核不拡散体制の公平性と信頼性を著しく損なうものである。
さらに、イランの核問題をめぐる外交交渉の経過を振り返れば、米国の対応の不誠実さも指摘せざるを得ない。2015年に締結されたイラン核合意(JCPOA)は、イランの核活動を厳しく制限する代わりに制裁を解除するという国際的合意であった。しかし米国は2018年にこの合意から一方的に離脱し、制裁を再開した。国際合意を自ら破棄した側が、外交交渉の最中に軍事攻撃を行うことは、外交と国際合意に対する信頼を根底から揺るがす行為と言わざるを得ない。
こうした重大な事態にもかかわらず、日本政府は米国とイスラエルの軍事行動を明確に批判する立場をとっていない。政府は「詳細な事実関係を把握していない」「法的評価は差し控える」として、事実上、先制攻撃への評価を回避している。しかし、日本国憲法の平和主義を掲げ、「法の支配」を外交の基礎とするとしてきた日本政府が、国連憲章に反する疑いの極めて強い軍事行動に対して沈黙することは許されない。日本政府は、同盟関係の有無にかかわらず、国際法に反する行為には明確に反対し、攻撃の即時中止と外交による解決を求めるべきである。
同時に、イランの核問題については、核兵器の拡散を防ぐ観点から、軍事力ではなく外交と国際的枠組みの中で解決されるべきである。イランは核兵器の開発を行わないことを明確にし、核施設を国際原子力機関(IAEA)の完全な監視の下に置くべきである。
私たちは、生命と健康を守る医師・歯科医師として、民間人を含む多くの命が奪われる戦争の拡大を強く憂慮する。戦争は人々の生命と健康を直接に破壊し、医療体制や社会基盤を崩壊させ、長期にわたり深刻な健康被害をもたらす。いかなる理由であれ武力による先制攻撃を正当化することはできない。
私たちは、アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃に断固として抗議するとともに、軍事行動の即時中止と外交による問題解決への回帰を強く求める。
声明
アメリカとイスラエルはイランへの攻撃を直ちに中止せよ日本政府は無法な先制攻撃を厳しく非難せよ
2026年3月14日
兵庫県保険医協会第1225回理事会
米国とイスラエルは2月28日、イランに対する大規模な軍事攻撃を開始し、これを「先制攻撃」であると説明した。また、翌3月1日には、イランの最高指導者ハメネイ師が空爆により死亡したと報じられている。
この軍事攻撃は、イランの核問題をめぐる米国とイランの外交協議が続いていた最中に行われたものであり、外交による解決の努力を破壊するものである。相手国からの武力攻撃が発生した事実が確認されないまま行われた武力行使は、国連憲章が定める武力行使禁止の原則に明確に反する先制攻撃であり、断じて容認することはできない。
国連憲章は、国際関係における武力の行使や威嚇を原則として禁止している。しかも、仮に例外的に武力行使が認められるとしても、それは安全保障理事会の決議がある場合か、武力攻撃を受けた場合の自衛権の行使に限られるとされている。しかし今回の攻撃は、その例外的条件にすら該当しない。安保理決議もなく、米国やイスラエルに対してイランによる武力攻撃が発生した事実も確認されていないにもかかわらず、先制攻撃が行われたのである。これは、国連憲章がかろうじて設けている最低限の歯止めすら踏み越えるものであり、国際法秩序を根底から揺るがす重大な行為である。
また、主権国家の指導者を軍事攻撃によって殺害するという行為は、国際社会の基本的な規範を踏みにじるものであり、強く非難されなければならない。
さらに、米国政府はイスラエルとともに、イランに対して継続的な軍事攻撃を行う姿勢を示し、体制転換を求める発言まで行っている。他国の体制を軍事力によって転覆させようとする行為は、地域の不安定化を一層深刻にし、中東・西アジア地域全体を大規模な戦争に巻き込む危険を高めるものである。武力による問題解決は、さらなる暴力と報復の連鎖を生み出すだけであり、決して平和をもたらさない。
また、今回の攻撃の理由としてイランの核開発が強調されているが、この問題をめぐっては核不拡散体制の深刻な矛盾が存在している。イスラエルは核兵器不拡散条約(NPT)に加盟しておらず、核兵器を保有していると広く指摘されているにもかかわらず、国際原子力機関(IAEA)の査察体制の外に置かれている。一方、イランはNPT加盟国として査察体制の下にありながら、軍事攻撃の対象とされている。核兵器を事実上保有する国が査察を受けず、査察を受けている国が軍事攻撃の対象となるという状況は、核不拡散体制の公平性と信頼性を著しく損なうものである。
さらに、イランの核問題をめぐる外交交渉の経過を振り返れば、米国の対応の不誠実さも指摘せざるを得ない。2015年に締結されたイラン核合意(JCPOA)は、イランの核活動を厳しく制限する代わりに制裁を解除するという国際的合意であった。しかし米国は2018年にこの合意から一方的に離脱し、制裁を再開した。国際合意を自ら破棄した側が、外交交渉の最中に軍事攻撃を行うことは、外交と国際合意に対する信頼を根底から揺るがす行為と言わざるを得ない。
こうした重大な事態にもかかわらず、日本政府は米国とイスラエルの軍事行動を明確に批判する立場をとっていない。政府は「詳細な事実関係を把握していない」「法的評価は差し控える」として、事実上、先制攻撃への評価を回避している。しかし、日本国憲法の平和主義を掲げ、「法の支配」を外交の基礎とするとしてきた日本政府が、国連憲章に反する疑いの極めて強い軍事行動に対して沈黙することは許されない。日本政府は、同盟関係の有無にかかわらず、国際法に反する行為には明確に反対し、攻撃の即時中止と外交による解決を求めるべきである。
同時に、イランの核問題については、核兵器の拡散を防ぐ観点から、軍事力ではなく外交と国際的枠組みの中で解決されるべきである。イランは核兵器の開発を行わないことを明確にし、核施設を国際原子力機関(IAEA)の完全な監視の下に置くべきである。
私たちは、生命と健康を守る医師・歯科医師として、民間人を含む多くの命が奪われる戦争の拡大を強く憂慮する。戦争は人々の生命と健康を直接に破壊し、医療体制や社会基盤を崩壊させ、長期にわたり深刻な健康被害をもたらす。いかなる理由であれ武力による先制攻撃を正当化することはできない。
私たちは、アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃に断固として抗議するとともに、軍事行動の即時中止と外交による問題解決への回帰を強く求める。
以 上



