兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年1月

【火曜】 歯はどこまで抜かずに治せるか

 歯を失う原因はいろいろありますが、主なものは虫歯と歯周病です。
 虫歯は、細菌が歯を溶かしていく病気です。早期に治療を行えば、比較的簡単に治ります。また、虫歯が俗に言う歯の神経と呼ばれている部位にまで進行し、口の中に見えている歯の頭が大部分無くなったとしても、歯の根の部分がしっかりしていれば、神経の部位を治療し、金属で土台を作ることで治すことができます。
 しかし、歯の根まで虫歯でボロボロになったり、根の先の顎の骨に大きい病巣ができるまで放っておくと、歯を抜かざるをえません。
 次に歯周病ですが、歯と歯肉の間の細菌が原因で歯肉に炎症を起こし、ついには歯の周りの骨を溶かす病気です。歯周病が進行すると、歯が動いてきます。骨が歯の根の3分の1程度残っていれば、隣りのしっかりとした歯とつなぐことで動きをおさえ、ちゃんとした歯磨きと歯科医院での定期的な歯の周囲の汚れをとる処置を行って、歯を残していきます。
 しかし、骨がほとんど残っておらずぐらぐらな場合、隣りにしっかりした歯が無い場合は、歯を抜かざるをえません。
 また事故など、外傷により歯が大きく欠けてしまったり、ぐらぐらになっている場合でも、欠けた部位が歯の頭であって、歯の根がしっかりしていれば、虫歯の時と同じように金属で土台を作り治すことができます。
 ぐらぐらしている場合は、隣りの歯とつなげて動くのをおさえ、その後経過を観察します。つなげない場合でも、動かなくなれば歯を残します。
 今回お話していることは1つの目安であり、歯を残すかどうかは口の中全体を診て、総合的に判断します。個々の歯に関しては、かかりつけの歯科医に必ずご相談下さい。

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