兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年3月

【水曜】 白内障

 白内障は眼のレンズ(水晶体)が濁る病気です。年齢が進むにつれてほとんどの人が陥るため、老化現象の一種ともいえます。また糖尿病やアトピー性皮膚炎などの疾患に合併して起こることもあります。初期の頃は視力は落ちませんが、濁りの進行とともに眩しさ、かすみ目、視力の低下を自覚するようになります。
 白内障が起こるメカニズムは究明されつつありますが、いまだに不明な点が多く予防方法はありません。また良く効く薬剤もないのが現状です。しかし進行を抑える内服薬や点眼薬がありますので、初期の場合はこれらの薬の点眼または内服をします。ある程度視力が落ちてしまうと手術に頼ることになります。
 大体視力が0.5以下になれば手術をお勧めしますが、ご本人の自覚症状や生活パターンによっては、もっと早く手術を受けることもあります。手術を受けると視力もかなり向上し、眼底や他の部分に異常がなければ細かな作業も出来るほどになります。
 現在、白内障の手術は安全で時間も短縮され、日帰り手術も可能になり、合併症も少なくなってきています。ただし、手術後しばらくは経過をみる必要がありますので、医師の指示に従って受診するようにしてください。
 手術方法は超音波装置を用いて、シリコン製やアクリル製の眼内レンズを入れます。これらの眼内レンズは安全なもので、将来レンズが濁ったり、変質の心配はありません。
 ただ手術に伴う危険として非常に少ないのですが、手術後に視力が落ちてしまうこともあります。また眼内レンズの特性として手術後の眩しさや調整力がないことによる眼の疲れなども考えられますので、手術を受ける際には十分主治医と相談してください。
 手術の費用は、例えば高齢者で窓口負担が2割負担の方ですと2万円から3万円の間です。手術の後しばらくは経過をみる必要があると思います。
 白内障は治療法が確立されている疾患といえます。今後さらに白内障が起こるメカニズムが究明され、よりよい治療薬や予防薬も開発されるでしょう。ある程度年をとられたら定期的に眼の検診を受けられることをお勧めします。

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