兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年5月

【火曜】 フッ素で虫歯予防

 皆さん方はフッ素で虫歯予防という言葉を一度は耳にされた事がおありだと思います。
 では、フッ素とはどんなものか、本当に予防効果があるのかご存じでしょうか。
 フッ素は海水や土、さらには多くの食品に含まれており、人も動物も毎日体に取り入れている栄養素の一つなのです。WHOや国際学術機構により、フッ素は人の健康にとって必須の天然ミネラル元素の一つとされています。
 そもそもフッ素が虫歯予防に使われ始めたのは1931年アメリカで、フッ素がたくさん含まれる水道水を使っている地域の人々に虫歯が非常に少ないという事が発見されたからです。その後研究が進められ、フッ素を適量使えば確かに虫歯予防ができる事が証明されました。そして1945年からアメリカにおいて、実際にフッ素が使われ始めたのです。以来世界中に広まって行きました。すなわち、フッ素を使った虫歯予防は60年の実績のある安全な方法だと言えるのです。
 では、なぜフッ素は虫歯予防に効果があるのでしょう。フッ素は歯に作用すると歯の表面から取り込まれ歯の結晶の一部になります。そうすると普通の歯の結晶より丈夫になり虫歯菌の出す酸に対して強くなるのです。また歯のエナメル質の周りにフッ素があると酸に溶かされた部分の補修を促進してくれます。
 この様な効果のあるフッ素ですが、実際の利用法としては日本では歯科医院や保健所で行われている、直接歯に塗るフッ素塗布といわれる方法が主流です。他に自分で行う方法として、フッ素入りのうがい薬や歯磨き剤があり、家庭や学校で簡単にできて効果もあります。詳しくはかかりつけ歯科医にご相談される事をお勧めします。
 なお、虫歯予防のフッ素塗布で歯が黒くなることは絶対ありません。歯が黒くなるのは虫歯の進行を止める為に使うサホライドという液を塗った場合ですので安心してフッ素を利用して下さい。

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