兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年6月

【金土日】介護保険はどう変わる?

 2000年度にスタートした介護保険制度は来年4月に大幅な見直しが行われる予定です。その内容は「介護サービス利用の制限」と「利用者負担の増加」です。
 厚生労働省は、現在の介護サービスが介護度の軽い高齢者の状態の改善・悪化防止につながっていないとして、介護予防を目的とした「新予防給付」を創設します。これにより、現在「要支援」「要介護1」の認定を受けている高齢者の7~8割程度は、家事援助型のホームヘルプや通所サービスのデイケアなどが受けられなくなり、筋力トレーニングや栄養指導など自立や介護予防を目的としたサービスに切り替えられます。
 また、65歳以上を対象に「介護予防検診」を行い、運動機能の低下が認めらる高齢者には「転倒予防教室」などへ参加を促す「地域支援事業」が創設されます。これらの事業は、従来は公費負担で行われてきたものですが、介護保険に組み込まれる事により、原則1割負担の利用料が必要となります。
 次に、「利用負担の増加」ですが、これは他の項目に先駆けて今年の10月から特別養護老人ホームなど施設入所者の居住費と食費を全額自己負担とする予定です。これにより、標準的な月額利用料は相部屋で87,000円、個室では134,000円となり、従来に比べ月あたり約30,000円の負担増加となります。また、デイサービスなど日帰りサービスでも食費が全額自己負担となります。
 さらに、介護保険料も引き上げが予定されています。現在65歳以上の方の標準的な保険料は月額3,300円ですが、2012年には4,900円に跳ね上がります。これは介護サービスが増えれば保険料が増える仕組みになっているためです。
 これらの見直しで、介護サービスが抑制され利用者負担が増加すれば、必要な時に介護サービスが受けられなくなり、介護状態が悪化しかねません。兵庫県保険医協会では安心して介護が受けられる制度にするため、署名活動など介護保険制度の改善運動に取り組んでいます。

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