兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2005年12月

【月曜】 ぎっくり腰について

 腰痛は、人間が二本足で立つことにより起こるものですので、避けられない症状とも言えます。そして、若い人から高齢者まで、すべての年齢で起こります。
 急に起こる腰の強い痛みは、一般に「ぎっくり腰」と呼ばれ、中腰でものを持ち上げたり、急に立ち上がろうとした時に起こります。ひどいものになると、その場で歩けないくらいになるため、ドイツでは「魔女の一撃」などと表現されています。このぎっくり腰の症状は、あまりにもよく見受けられるため、つい軽く考えてしまいがちです。たとえば、2~3日で症状が軽くなったからといって、無理な姿勢をとると痛みがひどくなる場合が少なくありません。
 また、ぎっくり腰になった最初のときは、冷やすことによって痛みが軽くなる場合が多いのです。しかし、実際は風呂で温める人が多く、かえって悪い状態にしています。
 ぎっくり腰という言葉は、「おなかいた」や「頭いた」といった症状を現すもので、病名ではないことに注意する必要があります。ぎっくり腰の原因は、腰椎の捻挫や、筋肉、筋膜が傷ついたり、椎間板の障害で起こることがほとんどです。しかし、中には、背骨の圧迫骨折や脊椎への癌の転移、腎臓や尿管結石の痛みのこともあるので注意が必要です。
 このような理由から、ぎっくり腰といっても、その治療法は原因によって様々に対応する必要があります。
 ぎっくり腰になった場合、できるだけ早く医師に相談し、原因をはっきりさせた上で、最も適切な治療と生活指導を受けることが、痛みを長引かせないために重要です。くれぐれも、ぎっくり腰を甘くみて自己判断をしないようにして下さい。

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