兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年6月

【金土日】医療制度はどう変わるの?

 「医療制度改革」は、「医療費適正化」を名目に公的医療給付を大幅に縮小するのが目的です。その内容は、高齢者の窓口負担の増加や、入院時の食費・居住費の全額患者負担、75歳以上すべての高齢者からの保険料徴収など、国民の負担が多くなります。その他、病院の削減・入院期間の短縮など多くの問題をかかえています。
 特に問題なのが高齢者の負担の増加です。今年の10月から、70歳以上の現役並み所得者の窓口負担が、現行の2割から3割になります。2008年4月には、70~74歳の一般所得者、低所得者の窓口負担も現行の1割から2割に引き上げられます。また、一定額以上の医療費の支払い分が払い戻される「高額療養費」の上限額も引き上げになります。さらに、公的年金の控除縮小で、現役並み所得者が80万人増加し、所得が変わらなくても1割から3割負担へと、3倍の窓口負担を強いられる高齢者が生まれます。この結果、医療機関への受診を遅らせ健康破壊を広げることにもなります。
 高齢者の長期入院も、今年の10月から食費と居住費が全額患者負担とされます。これにより、70歳以上で現行より月額3万円もの負担となります。あわせて、病院の削減や入院期間の短縮で退院を余儀なくされ、命に関わる深刻な事態も予測されます。
 また、2008年度に75歳以上の高齢者を対象とした医療制度を創設し、すべての高齢者から保険料を徴収するとしています。保険料は月額6,000円程度で、介護保険料と合わせると1万円以上もの負担となります。
 その他、生活習慣病対策も盛り込まれ、糖尿病などの患者や予備軍の減少率の目標を掲げ、運動促進や食事指導などの啓発を行います。しかし、生活習慣病の原因は、遺伝子の影響やストレスなど様々で、これは疾病の原因を自己責任とするものです。
 日本の医療は「保険証1枚で必要な医療が受けられる」という国民皆保険制度を発展させ、世界でもトップクラスの評価を受けています。この医療制度を守るには、政府の医療費適正化政策をやめさせ、無駄な公共事業など税金を社会保障に使うことで、十分維持できるものです。保険医協会は医療制度改革に強く反対しています。

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