兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年7月

【木曜】 男性の性行為感染症

 エイズの出現以来、性行為感染症は一時減少していましたが、ここ数年若い人を中心に、増加傾向が見られます。最近の性行為感染症は口腔から性器への感染が非常に多くなっているのが特徴です。膣に挿入するときだけ、コンドームを装着しても安全とはいえません。
 性行為で感染する病気は色々ありますが、泌尿器科で最も頻度が高いのは男性の急性尿道炎です。これは性的接触で、病気をおこす微生物が尿道に入り、引き起こされます。原因となるのは、ほとんどが淋菌とクラミジアです。
 症状は排尿する時の痛み、尿道の不快感などですが、淋菌によるものの方が症状が強く、尿道から膿が出れば、淋菌感染の可能性が高くなります。感染する機会があってから淋菌は数日で症状が出現しますが、クラミジアの場合は数週間経ってから症状が出てきます。また、淋菌とクラミジアに同時に感染していることもあります。
 いずれも抗生剤などの治療薬の服用で治りますが、稀にこじれることもあります。特に淋菌に対しては最近抗生剤などの治療薬が効きにくくなっています。自覚症状がなくなったからといって、治療を中断すると再発することもあり、専門医で最後まできっちりと治療を受けましょう。またパートナーも同時に、検査、治療を受ける必要があります。
 その他に男性の陰部に支障をきたす性行為感染症には、初期梅毒、尖圭コンジローマ、ヘルペスなどがあります。いずれも、亀頭や包皮に発疹やイボ状のものが現れます。痛みがあるものと、ないものとがあります。治療法もそれぞれ異なりますので、何か気になるものがあれば、すぐに専門医を受診しましょう。
 陰部の毛じらみも、性行為で感染します。以上、泌尿器科的な症状が現れるものを中心にお話してきました。これ以外にも性行為で感染する病気には、ウイルス性の肝炎、エイズなどがあります。思い当たることがあれば、血液検査を受けるようにしましょう。

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