兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年7月

【水曜】 汗の多く出る病気

 人が汗をかくとき、全身に汗をかく場合と手のひらや腋の下などの部分的に汗をかく場合の2通りがあります。暑い夏や運動したりしたときなどには全身に汗をかきますが、そのとき手のひらや腋の下に汗は出ていません。その反対が精神的に緊張したときです。全身には殆ど汗が出ず、手のひらや腋の下などにだけ汗が出ます。この差は支配している神経の違いのためです。
 汗をかく量は人によって差がありますので、量が多いからといって、病気であるとは限りません。しかし、手に持っているものがびしょ濡れになったりする人や、それほど暑くないのに全身に異常に汗をかく人は、何らかの病気である可能性があります。
 汗が異常に多くなる病気で有名なものはバセドウ病です。病気になると、暑がりになり、冬場でも薄着になったりします。手や指が振るえ、字がうまく書けなくなったり、箸でものを掴めなくなったり、坂道などでは動悸や息切れをする症状が出てきます。初めは元気が良すぎるようにみえますが、だんだんと疲れやすくなったり、落ち着きがなくイライラしたり、怒りっぽくなったりしてきます。また、よく食べているのに痩せてくるという症状で受診する事が多いようです。体の特徴としては、のど仏の下のところにある甲状腺が大きくなって、首に腫れ物ができたようになります。さらに眼も飛び出してきます。これらの症状は血液の中に多量に分泌された甲状腺のホルモンの影響です。
 まれな病気の話もしておきましょう。1つは褐色細胞腫という病気で、発作的に血圧が高くなり、食事のときに汗が多く出ます。もう1つは空腹時に動悸とともに汗が多く出る症状です。これは血液の中の糖分が異常に低くなる低血糖発作です。糖分を調節するホルモンである膵臓のインスリンをつくっている細胞に腫瘍ができた場合です。その他インスリン自己免疫症候群、アジソン病、薬物の影響などいろいろな原因があります。
 本日は、主にバセドウ病について少し詳しくお話ししました。これらの症状が見られた時には、かかりつけの医師に相談しましょう。多くはお薬で症状は改善します。

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