兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年8月

【木曜】 アルコールと癌の関係

 夏場は冷えたビールのおいしい季節です。ついつい飲み過ぎて後で体の事が心配になる人も多いかと思います。そのような時はかかりつけのお医者さんに診てもらいましょう。
 さて、タバコの害に比べると、適量のお酒は体に良いと言われています。ワインに含まれるポリフェノールが動脈硬化を予防する効果があるということをよく耳にします。
 では、アルコールと癌の関係はどうなっているのでしょうか。
 皆さんが飲んだお酒は、口からのど、食道を通って胃と小腸から吸収され肝臓に流れていきます。飲みすぎによって、これらの場所のうち、口の中、のど、食道、肝臓などに癌ができやすくなると言われています。特に強いお酒を飲む人は影響が大きいようです。さらに重要なのは、タバコを吸いながらお酒を飲むのは危険です。アルコールによってタバコの中の発癌物質が細胞に溶け込みやすくなり、いっそう癌が出来やすくなります。例えば食道癌の場合、毎日30本以上のタバコと3合以上の飲酒を30年続けると、どちらも取らない人より50倍も癌にかかりやすいという結果が出ています。
 「百害あって一利なし」とされるタバコに関しては禁煙することが望ましいのですが、アルコールを飲む人は特に禁煙することが必要です。
 アルコールと他の部位の癌との関係では、大腸癌も出来やすくなり、肺癌や乳癌の危険因子とも言われています。意外なのは一番影響がありそうな胃癌やすい臓癌とはあまり関係がありません。
 ところで適量のお酒とはどのくらいでしょうか。それはビールで中ビン一本、日本酒で一合、ウイスキー・ブランデーでダブルミリリットルまでです。タバコを吸わない男性では、これ位のお酒を2日に1度ほど飲む人は、癌による死亡率が一番低いとの報告もありますが、今飲んでない人に無理に勧めるものではありません。もちろん未成年者、アルコール依存症の人、肝臓の悪い人は飲んではいけません。
 癌を予防するには「タバコをやめ、お酒もほどほどに」ということですね。気になることがあれば、早めに近くのかかりつけ医に相談しましょう。

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