兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年10月

【金土日】にきびの治療

 にきびの原因は沢山の要素が織り重なっているため、一つの原因を特定することは困難を極めます。思春期には男性ホルモンの分泌が女性ホルモンの量を上回るために、皮膚の脂肪いわゆる皮脂が多くなり、毛穴を塞ぐことによってにきびができます。同様のことは、大人になってもストレスや寝不足あるいは不規則な生活などでもおこります。
 便秘や胃が悪いための栄養分の吸収障害、あるいは化粧品特にファンデーションで、毛穴が塞がれることによっても、にきびはできてきます。
 しかし最近注目されているのは、皮膚の脂肪である皮脂の量と水分の量を測定すると、皮脂の量が正常な範囲であるのに、水分の量が極端に下がっているために、にきびができている方がいらっしゃるということです。
 昔から、にきびには洗顔が行われてきましたが、最近の洗顔料は脱脂力の強いものが多く、これらの洗顔料を繰り返し使用することによって、パサパサの乾燥肌になっていることがあります。こうなると皮膚の表面は弾力を失い、毛穴はかえって詰まりやすくなり、にきびの最初の症状であるコメドが発生します。にきびもあるのに皮膚の一部が粉を吹くぐらいかさついている場合は、たいていこのパターンに当てはまりますので、化粧水などを使って皮膚の保湿を心がけて下さい。
 にきびの最初の症状は毛穴が詰まって生じるコメドで、ここに細菌が感染して炎症が起こってきます。この炎症を少しでも早く、また軽いうちに治療することが肝心です。
 一般的な治療としては、外用療法、内服療法、赤外線照射などの組合わせになります。外用療法は抗生物質の他にイオウ剤や、先ほどの乾燥の強い方には保湿剤も有効です。内服療法は抗生物質やビタミン剤の他に、漢方薬も有効なことがあります。赤外線照射はにきび痕(あと)の予防と改善に効果があります。
 保険外の治療としては、皮膚の一番上にある角質層を剥がすケミカルピーリングや、特殊な機械を用いてビタミンCなどを直接皮膚に入れたり、各種のレーザーを用いたりすることもあります。しかし皮膚が乾燥している方には、ケミカルピーリングは無効で、化粧品の選択に注意が必要です。いずれにしても毛穴に皮脂を詰まらさないようにすることが必要で、これは各個人によって原因が違いますので、専門医のもとで最も効果的な治療法を選択してもらって下さい。

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