兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2006年10月

【木曜】 声のかすれ

 カゼをひいたときとか、カラオケで大騒ぎしたときなどに声がかすれてしまった経験をお持ちの方がいらっしゃると思いますが、声はどこで作られるのでしょうか。
 のどの奥には喉頭(こうとう)と呼ばれる場所があり、そこに声帯という粘膜のヒダがあります。この声帯が笛の役割をしており、その粘膜のヒダが振動することによって声が作られています。ですからこの声帯や喉頭に何かの異常が生じると声がかすれます。
 声のかすれの原因として最も多いのは、カゼのときなどにみられる喉頭の炎症です。この時期に声を使い過ぎたり、タバコやお酒を飲み過ぎたり、粘膜をいためるゴミや煙りにさらされたりすると炎症が慢性化することもあります。時には声帯の一部が腫れて声帯のしこりやポリープになります。また、声帯を動かす神経の麻痺などによることも多く、他には心の病やホルモン異常の場合でも声がかすれます。
 稀ですが一番怖い原因として喉頭癌を忘れてはいけません。多くはタバコを飲む中年以降の男性です。ちなみに1日の喫煙本数×喫煙年数が600以上になると喉頭癌の危険が高くなります。例えば1日20本の人が30年吸い続けると危険なグループに入ります。喫煙者はタバコを吸わない人に比べて約30倍喉頭癌にかかり易いとするデータもあります。特に高齢者でタバコを吸っておられる方は要注意です。
 この様に声のかすれには多くの原因があり、治療法もそれぞれ異なっています。声がかすれたなと思ったら、まず無理に声を出さないようにしましょう。3~4日間は安静にすることが大切です。のどの乾燥を避け、うがいを1日4回位おこなって下さい。数日たっても声のかすれが治らない時は早めに耳鼻咽喉科を受診してください。喉頭癌であった場合でも、早い時期なら手術をせずに完全に治ります。1ヶ月も2ヶ月も経ってしまうと、手遅れになる場合があります。癌は怖い病気ですのでなかなか自分ひとりでは診察を受けに来られない場合も多いようです。お知り合いの方で声がかすれている方がおられましたら、ぜひ耳鼻咽喉科を受診されるように勧めてみてください。

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