兵庫県保険医協会

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2007年3月

【金土日】統合失調症

 統合失調症は、以前は精神分裂病とよばれていました。精神分裂という言葉のイメージが良くないという事や、患者さんへの差別や偏見を生み出してきた経緯もあり、最近では統合失調症という言葉が使われるようになりました。
 統合失調症はおおよそ人口の100人に1人の割合でおこると言われています。ですから、自分の知り合いにも統合失調症を患われている方が何人かいるといった、珍しくない病気です。現在、統合失調症について多くの研究がなされていますが、今だ明確な原因は分かっていないため、治らない難病というイメージがありますが、最近では、早期発見と早期治療で症状が改善して、自立した生活を送られる方が多くなっています。
 この病気が出てくるのは思春期から30歳代の中ごろが中心で、特に20歳前後に多く出てきます。主な症状としては、妄想や幻覚、思考の障害があげられます。妄想とは、自分のことを見られている、盗聴器が家に仕掛けられている、誰かから殺されるなどと被害的に考え信じ込んでしまう状態です。幻覚は、そこにいない人の声が聞こえて、自分の行動をいちいち指図したり、悪口が聞こえたりします。思考の障害は、自分の考えが頭から抜け落ちるとか、人に知られてしまうなどと考えたり、他人の考えが自分の頭の中に入り込んでしまって、自分の考えが混乱してしまったりすることなどです。また、意欲が低下したり、引きこもりになることもあります。
 治療は、薬物療法が主になります。最近では、副作用の少ない良いお薬が使われ、飲みやすくなり、以前では入院治療が必要だった患者さんも外来で治療が可能になってきました。それに加えて、精神療法、作業療法、生活技能訓練、レクリエーション療法などを行います。早期に治療が開始できれば、良くなる可能性も高くなります。おかしいなと思ったときは、早めに精神科専門医を受診して適切な治療を受けるようおすすめします。

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