兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年4月

【水曜】 メタボリックシンドローム

 中年になると、日頃の運動不足もあってか、お腹まわりが気になってきます。内臓脂肪型肥満とかメタボリックシンドロームということばをよく耳にするようになりました。この『内臓脂肪』とは、皮下脂肪のことではありません。むしろ、皮下脂肪があまりついていない比較的体格のいい人が危ないのです。そのことを詳しくお話しします。
 正確にはCT検査で内臓脂肪面積を測定するのですが、費用と手間がかかります。そこで、簡単に、へその周りで測定したウエストが、男性で85cm以上、女性で90cm以上を『内臓脂肪型肥満』とします。男性の方の数値が少ないことに注目して下さい。欧米とは異なる日本人の体型の特徴によります。つまり、男性型肥満ともいわれる上半身型肥満に対して注意が呼びかけられているのです。イラストなどでは、大きなリンゴをお腹に抱え込んだ男性型肥満すなわちリンゴ型肥満が示されています。一方、女性型肥満といわれる下半身型肥満すなわち洋ナシ型肥満は内臓肥満とはとらえられていないのでこのような結果になります。
 高脂血症というのは、血液検査で中性脂肪が高かったり、善玉のコレステロールが少なく、悪玉のコレステロールが高い人を言うのですが、近年、肥満の中でも『内臓脂肪型肥満』が、高血圧や高脂血症、または糖尿病を引き起こし、さらに心筋梗塞や脳梗塞の大きな原因となることがわかってきました。それで、内蔵型肥満の人が、高血圧や糖尿病あるいは高脂血症の3つの中、2つ以上を持っていると要注意で、メタボリックシンドロームとして注目され始めました。
 最近の調査によると、メタボリックシンドロームは1,300万人、その予備軍を含めると2,700万人、すなわち、40歳以上の男性の2人に1人、女性は5人に1人が該当することがわかりました。喫煙人口が3,000万人と言われていますので、その多さを想像していただけると思います。しかも、これは、大人だけに限らず、6歳児検診でも、30年前と比べると肥満の子の割合が約5倍にも増えている現実があります。
 「高血圧や糖尿病にはなっていないので大丈夫!」とたばこを吸いながら、からあげを酒の肴にして1杯などと言って、生活習慣を変えずに過ごす方はいらっしゃいませんか。
 まず、かかりつけの医師に相談してください。そこで、身体チェックを受けて、各個人に応じた食事療法や運動処方を作ってもらって下さい。そして、体重を減らし、規則正しい生活を送ることで、心筋梗塞や脳梗塞から身を守りましょう。

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