兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年4月

【火曜】 唾液の働きと口の病気

 唾液ってどんな働きをしているのでしょうか?
 まず第一に、唾液は消化を助ける役割をしています。唾液の中にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、でんぷんを麦芽糖(ばくがとう)に分解する役割を担っています。麦芽糖はさらに十二指腸や小腸でブドウ糖に分解されて、体じゅうのさまざまな組織、細胞の栄養源になります。また、食べ物に適度な水分と粘り気を与え、嚥下しやすくしたり、胃での消化吸収をしやすくする役割もあります。
 第二には、口のなかの、免疫をつかさどる役割をしています。唾液の中には、イムノグロブリンやリゾチームなどといった、免疫をつかさどる物質が大量に含まれており、食べ物や、まちがって口にした物の中に含まれている有毒な細菌や物質を取り除く役割をしています。いわば、体を守る第一関門の最前線の役割とも言えます。
 第三には、口の中の湿度を適度に保つことによって、おしゃべりをしたり、口を自由に動かしたりする潤滑剤の役割もしています。歯や歯茎を乾燥から守り、虫歯や歯周病を防ぐとともに、くちびるにも適度な潤いを与え、美容にも大きな影響を持っています。
 もし、唾液が出なくなれば、唾液の持つこれらの役割が失われることになり、生活や健康に大きな支障をきたすことになりかねません。残念ながら、唾液は年齢とともに段々と分泌量が減ってきます。また、膠原病の一つであるシェ-グレン症候群などで、唾液が出にくくなることもありますし、薬の副作用などで唾液の分泌が落ちることもあります。唾液の分泌が少ないままほっておくと、虫歯が多発したり歯周病がひどくなったりします。また、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
 医科や歯科医院で検査や治療を受けることができますので、気になる方は是非ご相談されることをお勧めいたします。

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