兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年6月

【木曜】 すぐに尿が漏れそうになる

 すぐに尿が漏れそうになるような経験をなさったことはありませんか?
 これは通常の尿意とは異なり、急に起こる、抑えきれない強い尿意の事で尿意切迫感と呼ばれている症状です。実際に尿を漏らしてしまう場合は切迫性尿失禁と言い日常生活で非常に困ります。40歳を過ぎる頃から増え始め、男性の方が女性より多く、40歳以上の日本人のうち、約810万人が尿意切迫感を1週間のうち1回以上感じていると言われています。最近このような尿意切迫感を感じる状態を、膀胱の活動が過剰になるという意味の過活動膀胱と呼び、正確に診断することが必要です。
 その原因は脳や脊髄といった神経が原因の場合と、神経以外の原因で起こる場合があります。また過活動膀胱ではなくても、膀胱や子宮や前立腺や尿道に異常がある場合や自分では完全に排尿しているつもりでも、膀胱にたくさん尿が残っていたり、たくさん水分を摂っている場合や精神的な頻尿などもあり、正確な診断が求められます。
 治療は、過剰な水分やカフェインの摂り過ぎに注意したり、早めにトイレに行くなどの生活指導、おしっこを我慢したり、お尻の穴を締める訓練や、1日の排尿のパターンに合わせてトイレに誘導したりすることも役立ちます。しかし治療の中心はお薬を飲むことです。現在用いられている薬は膀胱の筋肉をリラックスさせるような効果があるものが多く、様々な種類のお薬があります。従来の薬は副作用として喉の渇きや便秘などを起こすものも有りましたが、最近では副作用も少ない新薬も出てきました。
 これらの治療でも良くならない場合は、膀胱や尿道の神経を刺激して治療する方法もあります。電気で刺激したり磁気で刺激したりする方法もありますが、一部の施設でしか治療できません。また、おしっこの回数が多い事とこれまで話してきた尿意切迫感との間の関係についてはまだ良く判っていないことも多く、この様な症状が気になる方は、泌尿器科専門医に相談されることをお勧めします。

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