兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年7月

【水曜】 立ちくらみ

 寝ている状態や、座っている状態から急に立ちあがった時に起こる、眩暈(めまい)や目の前が暗くなる感じ、頭がぼんやりする感じ、気を失いそうになる感じなどの症状をまとめて立ちくらみと言います。立ちくらみは、従来言われていたように貧血で起こるのではなく、立った時の血圧や、血流の流れの状態を調節する働きが障害されて起こります。
 血液も水と同じで、高い所から低い方へ流れようとします。血液が下に流れて脳に血が少なくなり、血圧が下がっては困るので、正常な人では、血圧を感知する場所からの命令で心臓の拍動数を増やしたりして、血圧を安定させ、循環する血液量を維持するような機能が働きます。これらの働きが障害された状態を起立性調節障害と言います。起立性低血圧と言われるものもこれとほぼ同じです。起立性低血圧とは、立った時の血圧や血流の調節機構が障害されているために、血圧が低下し、立ちくらみや時には失神を来たす状態を言います。原因としては、自律神経失調症や、自律神経に作用する降圧剤などの薬の影響があります。そのほか脊髄損傷や、糖尿病などによる神経症、まれに副腎という臓器の機能障害あるいは、褐色細胞腫という腫瘍などがあります。
 立ちくらみは、どの年齢でも起こります。このような症状が出たら、まず主治医とご相談下さい。原因になっている病気があればその治療を行います。薬の副作用で起こっているのであればその薬を中止してもらってください。自律神経によるものであれば、まず日常生活のリズムを整えることが必要です。この病気が悪くなるのは、すぐに結論の出ない問題を心配している時です。例えば目的を失っている時、不安がある時、自分の努力や実力が認められていない時などが引き金となってしまうようです。これらの問題が起こった時は、何か他のものに目を向けてみましょう。そうすれば道が開け、症状の改善にきっと役立ちます。
 また、早寝早起き、バランスのとれた食事、十分休息する、適度なスポーツをするなど日常生活の改善にも注意しましょう。

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