兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年9月

【水曜】 骨粗鬆症について

 骨粗鬆症とは、骨がもろくなり、骨折の危険性が増加した状態です。尻餅をついたり、重い物を持ったり、くしゃみをしただけで骨折することがあります。骨折すると骨格変形を生じ日常生活に支障をきたします。骨粗鬆症は男性は50歳代からみられるのに対し、女性は40歳代から発生し、閉経を境に増加し、60歳代では約33%、80歳代には60%を超える発生頻度となります。
 日本人の寝たきりの原因の1つに骨折がありますが、骨折の危険性は骨密度だけで決まるわけではありません。50歳以降に小さな原因あるいは、原因無く骨折したこと、骨密度、年齢、転びやすさ、さらに骨代謝(こつたいしゃ)マーカーという、骨の新陳代謝の目印や状態などが影響します。このうち50歳以降に骨折したかどうかは最も重要で、それだけで骨粗鬆症と診断してよいでしょう。手足の骨折は本人が一番解りますが、背骨の骨折は本人が知らないうちに骨折していることがあります。高齢になってから「ぎっくり腰」で2~3日動けなかった経験がある人や、若い頃に比べて身長が3cm以上縮んでいる人は、必ず脊椎をレントゲンでチェックする必要があります。
 骨粗鬆症は整形外科、内科、産婦人科などで診断、治療してもらえます。骨密度を測定してもらえるか聞いてみて下さい。骨密度の測定法、部位は色々あります。骨代謝マーカーは、血液や尿で測定することができます。これが異常に高い場合は骨折しやすいということがわかってきました。
 治療、予防には食事療法、薬、運動が重要です。日本人は慢性的なカルシウム不足で1日平均550mgしか摂取していません。最近の研究では800mg必要ということがわかってきました。カルシウムを摂るのに最も良い方法はスキムミルクなどの乳製品です。乳製品が苦手な人は小魚や豆腐を食べましょう。年齢にもよりますが、運動の種目は何でもよく、1日60分、1週間に3日以上が理想的です。運動の効果は骨密度を維持するだけでなく転びにくくなる効果もあります。薬は短期間では効果が無く長く続けることが必要です。最近では、週に1回服用するだけでよい薬もあります。かかりつけ医に相談して下さい。

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