兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2007年10月

【木曜】 お乳のしこりと乳がん検診

タレントや有名人が乳がんになったとテレビなどで報道されると、翌日の乳腺(にゅうせん)外来は全国的にどっと増え溢れかえります。テレビで見聞すると、つい自分は大丈夫だろうかとお乳を触ってみるのが人の常で、そこでしこりを触れようものなら、頭の中は真っ白になり、翌日急いで乳腺外来を受診するといったことになります。

 確かにしこりを触れれば、乳がんではないかと心配されても無理はありません。

 しかし、「お乳のしこり」は乳がんだけではありません。乳がんなどの悪性のものであれば、死には至らない、良性の線維(せんい)線腫(せんしゅ)や乳線症といった病気もあるのです。そして今までからあったしこり様のものを、ある日突然触って気づくものですから慌ててしまうのです。こういう場合の多くは乳線症です。但し、しこりを触れた場合は自分で勝手に判断をせず、乳線専門医に診てもらうことをお薦めします。

 また、たとえ気づいたしこりが乳がんであったとしても、決して動転しないでください。乳がんの治療はいろいろな面で進んでいます。確かに乳がんに(かか)る人の数は増え、亡くなる方も増えてきたのがこれまでの日本の現状ですが、治療法もこの20年で大きく様変わりしました。今や乳がんの手術では、お乳を残す乳房(にゅうぼう)保存療法が標準です。さらにこれまで全部摘出になっていた乳がんでも、術前の抗がん剤治療で小さくなれば温存も可能となります。マンモグラフィという乳線のX線検査で石灰化だけで発見されるような乳がんでは95%は治るもので、日帰り手術も可能なものもあります。

 平成19年4月に施行された『がん対策基本法』には、国民の責務としてマンモグラフィ乳がん検診を受けることが謳われています。2年に一度の検診を受けていれば、乳がんが見つかっても死に至ることはありません。しこりが触れるようになる前に、マンモグラフィ乳がん検診を受けることをお薦めします。

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